【話題追跡】 ノンアル市場進化、「モクテル」で健康機能訴求
サントリービールが20~60代の3万人を対象に調査した「ノンアルコール飲料レポート2021」によると、ノンアル市場は6年連続で伸長し、2021年は過去最大の規模となった。飲用理由で最も多かったのは「健康に気を付けたいから」で36.1%。健康志向の高まりが伺える。ビールメーカー各社は、「内臓脂肪減少」や「糖質管理」などを訴求する機能性表示食品のノンアルビールを販売している。こうした中で、ビールテイストとは違う「モクテル」が注目されている。
3月8~12日に米国で開催された「Natural Products EXPO WEST」では、代替肉やプラントベースフードの出展社が脚光を浴びる中、10社ほどがノンアル飲料をメインとした展示を行った。コラーゲンやヘンプシードオイル、ボタニカル素材を配合し「モクテル」として出品。睡眠改善、体重管理、免疫維持などの訴求が見られた。米国では、20代後半~40代前半の間で「ソーバーキュリアス」というあえてお酒を飲まない行動が広がっている。コロナ禍による健康志向や社会的価値観の変化が要因とされており、比較的裕福で健康意識が高く、バーやホームパーティーで「モクテル」を楽しむという。
インフォーマグループの業界誌「New Hope Network」のディレクターAdrienne Smith氏は、「植物由来の素材がサプリメント同様にノンアル飲料に使われるようになった。各メーカーは霊芝やヤマブシタケ、カフェインなどをCBDやテアニン同様にノンアル飲料に配合している。消費者は、機能性素材や様々な味を加えて、健康のためにノンアルを楽しんでいる」と話す。
日本でも昨年、ノンアル専門のバー「0%」がオープンし話題となった。その後も、ノンアル飲料や「モクテル」を提供する店舗が増え、20~60代まで幅広い層が利用する。「0%」では、アルコールは一切使わず、カクテルを作る工程と同じように「モクテル」を作る。原料はベチバーと呼ばれるハーブやミント等を調合し、客の気分に応じてドリンクを提供する。CBDオイルも提供しており、リラックスを求める客から引き合いがあるという。つづく
詳しくは健康産業新聞1737号(2022.4.6)で
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