【話題追跡】 健食業界にも広がる中国エネルギー問題の余波
石炭燃料の使用制限による電力供給のひっ迫や、輸送コストの増加などを背景に、中国で生産・加工される原料の値上りが続いている。健康食品業界に与える影響とは。中国原料を扱う複数の商社への聞き取りでは「納品が2~3週間遅れることがザラにある」「コンテナの確保に苦労している」といった声が上がっている。原料価格の高騰については「アミノ酸、クエン酸、ビタミン、食品添加物など様々な原料が値上がりした。アミノ酸は全体で1~2割ほど値上がりした」との声も。値上りについて「(この状態が続けば)企業努力でカバーできる範囲を超えてくる」との声が強く、国内で潤沢に在庫を抱えている場合でも「新しく仕入れる見込みがないため、この状況が続けば新規案内を中止する可能性もある」という。
このほか健康食品の製造に欠かせない機器類や包装資材にも影響は出ており、「鋼材価格が3割ほど値上がりし、商品価格を一部見直した」とする機器メーカーもあり、受託工場の設備投資の動きが鈍ることが懸念されている。また、包装資材のアルミシート不足や、包装資材の接着に用いられる酢酸エチルなども納期遅れが発生。今後の供給タイトも不安視されている。現在は「納期に余裕を持って発注することで対応している」という状況だが、「原料調達ルートを増やすことでリスク回避を検討している」や「供給を優先し、赤字覚悟で他国へ発注した」というケースも。商品への価格転嫁か、中国依存からの脱却か、悩ましい選択を迫られている。つづく
詳しくは健康産業新聞1728号(2021.11.17)で
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