別冊特別企画【乳酸菌/ビフィズス菌/乳酸菌生産物質】 テーマ別乳酸菌ダイジェスト

 乳酸菌は様々な働きを持つことが分かってきている。ここでは別冊特別企画【乳酸菌/ビフィズス菌/乳酸菌生産物質】の中から、乳酸菌を機能別にまとめたページを総括して紹介する。各機能性を持つ乳酸菌のサプライヤーや原料の詳しい動向については、健康産業新聞3月17日号を読んで頂きたい。

 

◆肌やデリケートゾーンケアなど 女性に嬉しい乳酸菌◆

 新型コロナウイルス感染予防が日常化した昨今、マスク着用やアルコールの多用により肌トラブルに悩む人が急増した。「肌の潤いを維持」をテーマにした乳酸菌配合の機能性表示食品は24 品にのぼり、コロナ禍で顕在化した肌ケア素材としても注目を集める。また、女性サポートの観点から、「膣内環境を良好にし、膣の調子を整える」旨を表示した機能性表示食品も登場。同テーマでの受理は初となり、乳酸菌の新たな魅力が発信されている。

 

◆コロナ禍でオーラルケアに脚光 乳酸菌への期待大きく◆

 乳酸菌によるオーラルケアは年々広がりをみせているが、新型コロナウイルスの感染拡大下でさらに注目を集めている。これまで歯周病の進行は、メタボや心臓病疾患、脳血管疾患の発症や進行に繋がると指摘されていたが、コロナ感染後の重症化を左右するとも。

 

 メディアでは“口腔ケアで免疫へアプローチ”、“コロナ対策を唾液で”といった表現で口腔環境の重要性を発信している。また、コロナ対策でマスクの着用が日常化した昨今、口腔環境に変化が起き、口臭などのトラブルも顕在化。オーラルケアに乳酸菌を利用するケースが広がりそうだ。

 

◆胃の健康に寄与する乳酸菌 商品化じわり広がる

 胃炎や潰瘍などの疾病を引き起こす細菌として知られる「ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)」。現在、日本には約6,000万人が感染しているといわれ、胃炎の発症、慢性的な炎症によって、胃潰瘍や胃がんを引き起こすともいわれる。除菌剤として抗生物質の利用や胃酸分泌抑制剤が使用されるが、2年以内に60~70%が再発するといわれ、その対策が待たれる。また、胃酸が食道へ逆流する胃食道逆流症患者も年々増えており、厚労省の発表では予備軍を含めると1,500 万人にのぼるという。

 

 こうした胃のトラブルを予防観点から注目されるのが胃にアプローチする乳酸菌。市場では、明治が“胃で働くヨーグルト”
のキャッチコピーで『プロビオヨーグルトLG21』を展開。ヤクルト本社はB.ビフィダムY株を関与成分とした『BF-1』で、胃をテーマにした初の機能性表示食品を販売している。また、最近ではDHCもサプリメントを販売するなど、関連商品が増えつつある。胃の健康に寄与する乳酸菌に期待が寄せられている。

 

◆運動機能へ働きかける乳酸菌 スポーツシーンに照準

 長引く外出自粛を原因に運動不足が深刻化し、運動への意識は高まりつつある。ここ数年のプロテイン市場の拡大に代表されるように、運動機能へアプローチする食品開発が進んでいる。乳酸菌素材でもスポーツシーンに向けた新たな菌が登場。運動機能の向上や疲労回復、スポーツ後に低下する免疫機能の向上など、様々な切り口から、機能性研究が進んでいる。また、ダイエットやメダボ訴求としての知見も得られており、これらの機能を組み合わせた提案が加速していきそうだ。

 

 

詳しくは健康産業新聞1712B号(2021.3.17)で
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