NMN、市場形成が本格化

 “若返りサプリメント”として米国や中国などで人気となっているNMNの市場形成が本格化している。国内では昨春に「非医薬品リスト」に追加され、注目度が上昇。昨年11月の「食品開発展」、今年1月の「健康博覧会」の会場でもNMN関連商材の出品が目立った。以前に比べ原料価格が下がり、商品開発が活発化。今年に入り、大手企業がNMNサプリメントの販売に乗り出すなど、海外に続き日本での市場形成が加速している。

 

 NMNは、体の中の細胞が活動するために欠かせない補酵素NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)の前駆体。細胞内のNADの産生を促進することで長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)、ミトコンドリアの活性に繋がることが確認され、エイジングケア成分として注目されるようになった。特に中国では越境ECを通じて米国メーカー製のNMNサプリメントなどが多数流通し、健康美の意識の高い富裕層を中心に人気が高い。

 

 昨年11月の独身の日に合わせて行われたECサイトのイベントでもNMNサプリメントは注目を集めた。中国保健協会関係者によると「中国EC大手の京東商城が運営するプラットホームで、NMNサプリメントの売上は前年の約15倍に伸びた」という。

 

 国内でもNMNを取り扱う事業者が増加。本紙が昨年12月に受託事業者に実施した定期調査では「2020年下半期人気受注素材」で「コラーゲン」とともに2位にランクインした。「食品開発展」「健康博覧会」でもNMNの出品が多数あり、来場者の関心を惹いていた。NMN原料を出品した企業に今回取材したところ、「200枚以上の名刺が集まり、その多くがNMNに対する案件だった。原料供給も始まっている」と手応えを掴んでいる。

 

 NMNの原料は中国で生産されているものが多く、現在の相場はキロ当たり25~30万円。以前に比べ価格が下がったことで、製品開発を後押ししている。販路は、通販や越境ECが多い。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1711号(2021.3.3)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら