【話題追跡】 ビタミンD欠乏が新型コロナ被害を増大

 「新型コロナウイルス予防に根拠のあるサプリメントや特定の食品はありません」とは、消費者庁が繰り返している注意喚起であり、不適切に効果・効能を謳う表示や広告は許されない。しかし一方で、ビタミンD欠乏と新型コロナ感染症の重症化の関係性については、ここ6ヵ月の間に世界各国から研究結果の発表が相次ぎ、さながら研究レースの様相を見せている。

 

 米国シカゴ大学医学部が5月に発表した調査結果では、新型コロナの治療を受けた患者の内、過去の電子カルテの記録が残る489人を検証。ビタミンD欠乏者(血中濃度20ng/mL未満)は、そうでない人に対して陽性となるリスクが1 .77倍だった。同様にイスラエルのテルアビブ大学が7月に発表した研究成果では、ビタミンDレベルが30ng/mL未満の人は、検査で陽性になる可能性が1.45倍、入院する可能性が1.95倍となった。また韓国・インハ医科大学が8月に発表した研究結果では、新型コロナ感染者のうち76%がビタミンD欠乏者だった。インドネシアのスカマラ地区病院が4月に発表した予備報告では、780人のCOVID-19患者を対象とした調査で、20ng/mL未満のビタミンD欠乏者179人の内、98.9%が死亡。一方でビタミンD充足者(30ng/mL超)388人の内、死亡した人は4.1%だった。

 

 日本人のビタミンD不足は実は深刻だ。日本人のビタミンD充足率は僅か9.1%(75nmol/L以上)であったことが、2011〜2013年に成人9,084人を対象に新潟医療福祉大学が行ったコホート研究で明らかになっている。日常の食事で不足しやすいため、比較的安価に利用できるビタミンDサプリの注目が高まりそうだ。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1701号(2020.10.7)で
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