【コラム】 新型コロナ禍の売れ筋商品

 新型コロナ禍で国民の健康志向が高まっていることは、多くの民間調査の健康意識調査などで明らかとなっている。食生活に絞ってみれば「栄養バランス取れた食事」といった回答が多く、具体的には「野菜・果物を食べる」「免疫力を高める食事を心がける」「サプリメント、特定保健用食品などを摂取する」といった回答が上位を占める。こうした中、手軽に摂取できる青汁製品や野菜飲料、乳酸菌飲料など、健康志向飲料の売れ行きが好調に推移している。

 

 コンビニやスーパーなどの店頭をはじめECサイトでは昨今、多くの健康志向飲料が販売されている。青汁製品は、本紙が8月に特集した際の調査で、店頭・通販ルートともに、今年上期は前年同期比を上回る売れ行きを見せたことがわかった。なかでもPETボトルタイプの青汁飲料の成長率が高い。また野菜飲料も好調だ。伊藤園が9月17日に実施したオンライン新製品発表会の中で、今年2~8月の野菜飲料の売れ行きは前年同期比1.0%増で推移したという。

 

 また、飲むヨーグルトや乳酸菌飲料の売れ行きも好調だ。同分野ではキリンホールディングスの『プラズマ乳酸菌』が8月7日、機能性表示食品で初の「免疫機能」で受理されたことが話題となった。新型コロナ禍で「免疫」を意識する消費者が増える中、大きな追い風が予想される。この他にも、酢飲料や豆乳など、健康志向飲料は概ね好調な売れ行きを見せている。

 

 健康志向飲料とは言い切れないが、炭酸水の売行きも近年劇的に増加している。ウイルキンソンブランドが有名だが、最近は多くの清涼飲料水メーカーや小売店のPB商品も見かけるようになった。レモンやグレープフルーツなどフレーバータイプも増えており、筆者も4~5年前から夏場を中心に愛飲している。個人的な感想としては、炭酸独特の爽快感がたまらない。しかも無糖だから炭酸ジュースのように飲み切った後に喉が粘つくこともないのがお気に入りだ。

 

 栄養を補う、糖分を控える、疲れを軽減する…健康志向飲料のニーズは多岐にわたる。コンビニやスーパーの売場を見ると、ビックリするほどの種類の健康志向飲料が並んでいる。先日来、筆者も朝食にグリーンスムージーを飲み始めた。手軽にこうしたニーズを叶えてくれる健康志向飲料は、今後ますます売場を拡大していくと思われる。

 

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