【調査データ解説③】 経営状況
今年上期の経営状況を聞いたところ、「良かった」との回答は31%で、昨年調査から3ポイント減少した。新型コロナウイルスの影響により、「非常に良かった」は1社もなく、「悪かった」は昨年調査の2倍を超え22%になった。「悪かった」と回答した企業からは「新型コロナウイルスの影響により店販卸先の受注キャンセル」「インバウンド向け販社からの受注がストップした」「コロナの影響で新規顧客案件が減っている」「中国輸出製品の減少(飲料)」「受注ペースが鈍化となり売上減になった」といったコメントが聞かれた。
なかでも、「 3月までは新商品立ち上げもあり好調だったが、4月以降は新型コロナの影響により出荷が芳しくないため減産に」「販売延期になり、製品減産などの関係で4月以降は下降気味」など、緊急事態宣言が発令された4月以降から影響が出始めている情勢がうかがえた。
「良かった」と回答した企業からは、「売上上位の会社が好調だった」「インバウンドおよび輸出案件が激減したが、国内市場が増えたため、売上を維持できた」「スポーツ関連が新商品も増えて好調だった」「新規商材NMNの受注獲得」「海外顧客の新規案件が受注につながった」などの声が寄せられた。また、「コロナの影響でプロポリスの需要が高まった」など、免疫強化につながる素材を含んだ商品や、ウイルス対策商品、コロナ太り対策商品の受注が増え、「コロナによるスイッチ需要を積極的に取りに行ったことが奏功して通常品の落ち込み以上を新しい需要でカバーした」といった回答もみられた。
下期の見通しは、「良好」の回答は14%で、昨年調査と比べて19ポイント減少。新型コロナウイルスの影響がどの程度長引くか読めないことから、「どちらともいえない」が6割近くに及び、「悪くなる」も21ポイント増え28%となった。各社からは「好調だった海外の注文も出荷の延期、取り消しが増加している」「パウチゼリーが食事代替やスポーツでの喫食が減り、厳しい売上が予想される」「新型コロナの影響で売上増・減の顧客が二分化されている」「国内受注もインバウンドの減少や自粛による影響で当面先がみえない」などの回答が寄せられた。
詳しくは健康産業新聞1694号(2020.6.17)で
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