【話題追跡】 新型コロナに伴う運動不足、高齢者のフレイル急増に懸念
新型コロナに伴う“巣ごもり”で多くの国民が運動不足となり、“コロナ太り”が増加。民間企業の各種調査でもコロナ禍の体重増加が裏付けられ、各種ダイエット食品が恩恵を受けた。一方で、今後懸念されるのが、高齢者の運動不足に伴う健康状態の悪化だ。近年は活動的な“アクティブシニア”が増加しているが、新型コロナ感染者のうち60歳以上の死者が多いことから感染を恐れ、外出を控える高齢者が増加。フィットネスクラブの営業自粛も重なり、高齢者の運動不足は顕著に。
高齢者は運動不足による筋肉量減少や筋力低下のスピードが速く、巣ごもりを続けた多くの高齢者の中から、今後ロコモ・サルコペニア・フレイルが激増するのではないかと危惧されている。実際、筑波大学大学院と新潟県見附市が60~80代の高齢者339人を対象に行った調査では、自粛生活の中で、健康状態が「よくない」「あまりよくない」と回答した人は全体の 1 割に達した。健康状態の悪化を訴えた人は、自粛前の 5 倍に膨れ上がっており、同大の久野譜也教授は、「慢性的な運動不足は、高血圧などの持病が悪化する原因になる」とし、健康二次被害を防ぐため、密を避けた野外、自宅での運動を推奨する。
また、ロコモチャレンジ!推進協議会では、運動不足解消に役立つ特設 WEB サイト「コロナに勝つ!ロコモに勝つ!」を開設。全国整形外科専門医による運動指導や、足腰などの運動器の健康維持に関するアドバイスを配信するなど、コロナ終息後のロコモ対策を啓発している。健康食品市場でもアクティブシニアや高齢者の運動器や骨・筋肉の衰えを改善する様々な素材を用いたサプリメントや健康志向食品が数多く上市されているだけに、今後の需要拡大が期待される。つづく
詳しくは健康産業新聞1693号(2020.6.3)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら