【話題追跡】薬剤師法改正、薬剤師業務拡大で変わる健食流通

 薬局・薬店の健食流通に影響を及ぼす薬剤師法が改正。主に、①薬剤師による調剤後の患者フォローアップ(服薬状況の把握と服薬指導)の義務化、②地域提携薬局および専門医療機関連携薬局の2タイプの薬局を類型化し、知事の認定制を創設――など、地域包括ケアシステムの構築を視野に入れた新たな方向性が示された。既存の薬局機能にプラスする形で、特定の機能を付加した高度な
薬局を地域に広める狙いがある。

 こうした中、食品カテゴリーの拡大が続くドラッグストア業界では、今回の改正を背景に、今後、より高齢者向けの新市場創出に力を入れていく。日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)では、スマイルケア食品やプロテイン食品等の既存食品とともに、フレイルや認知症予防、介護食、口腔ケアなど、高齢者向けを中心とした「食と健康」の新市場創出に注力。薬系ルートでは、調剤、インバウンド需要、食品――の3点が売り上げ増を牽引しており、中でも食品カテゴリーの伸びが著しい。

 JACDSでは、フレイルや認知症など高齢者対応商品を、現状の1.5兆円から2.5兆円への拡大を見込む。薬剤師法の改正は、医療・保険行政との利害が錯綜する点で、今後、高齢者をターゲットとする健食提案が活発化してきそうだ。つづく

 


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