検体測定室1,737件、薬局・DgS中心に拡大

 検体測定室連携協議会(検連協)主催の「世界糖尿病デー・健康啓発セミナー2019」が10月25日、都内で開催された。検体測定室とは、自己穿刺により採取したわずかな血液をもとに、糖尿病や脂質異常症、高血圧といった生活習慣病に関係のある項目を検査できるスペースのこと。検連協では、薬局やドラッグストアでの普及に取り組んでいる。

 冒頭、執行委員長で筑波大学内分泌代謝・糖尿病内科准教授の矢作直也氏は、検体測定室の現状について、「運営件数は2014年の34件以降、国のセルフメディケーション推進の流れに後押しされる形で、1,737件(9月30日現在)まで拡大しており、薬局等を中心に開設する店舗が増え続けている」と挨拶。県別トップ3は、石川県159軒、東京都150軒、福島123軒と報告した。

 「今後のヘルスケア産業政策について」では、経済産業省商務・サービスグループヘルスケア産業課企画官の川口俊徳氏が登壇。「2025年以降は“高齢化の中の高齢化”が深刻。85歳以上は2035年まで増えていき、支え手も2040年に6,000万人に落ちる」とし、企業へのアプローチ「健康経営の普及促進」と「公的保険外サービスの産業創出支援」などに言及。また「個人の健康・医療情報を集めてサービスを作っていくことを進めていくことが大きな課題」とし、食事データを撮影・記録するとすると、カロリー表示や栄養アドバイスをするアプリなど、パッケージ型ヘルスケアソリューションの創出に向けた取り組みを解説。「治療の場は病院から生活の場に広がり、患者を中心としたケア全体で治療成果向上を目指す方向にシフトしている」とし、商品・サービス単体を提供するビジネスモデルから、予防・モニタリングを含めたヘルスケアソリューションを提供するビジネスモデルへ転換していくと強調した。

 「今後の薬剤師・薬局のあり方(薬機法改正法案を踏まえて)」では、厚生労働省医薬・生活衛生局総務課課長補佐の境啓満氏が登壇。国内全1,432件の健康サポート薬局(令和元年6月28日時点)の状況について、薬剤師と管理栄養士によるコラボレーションで行う「健康フェア」など、「薬局ごとにさまざまなサービスが出てきている」と紹介した。

 

 

詳しくは健康産業新聞第1680号(2019.11.20)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら