特集【注目の人参素材】 サプリや一般食品など多用途で提案進む
「滋養強壮」「疲労回復」訴求の定番素材であり、豊富な食経験とエビデンスを持つ高麗人参。従来のターゲット層である中高年層からの需要に加え、近年ではエナジー系ドリンクをはじめとする清涼飲料水で需要が増加。大手メーカーをはじめ、トップバリュなどのPB品でも採用、定番素材としての地位を確立し、若年層にもターゲットを広げている。
高麗人参は朝鮮半島を原産地とし、中国東北部やロシア沿海州にかけて自生するウコギ科の多年草植物。主な原産国である韓国からの輸入量は677.5t(2018年)、輸入金額は32837千ドル(同)であり、2017年比で約20%増加、2019年上半期についても前年同期に比べて増加している(韓国農水産食品流通公社調べ)。同公社では、2019年下半期について「高麗人参は気候が寒くなるにつれ販売量が増加する傾向にあるため下半期、特に冬の消費は増加する」と予測としている。
田七人参は、標高の高い中国・雲南省や広西省のごく一部の過酷な環境下でしか栽培できず、中国では、「金不換」と称されるほど希少価値の高い原料として認知されている。近年は、栽培管理技術の向上で、3~4年で栽培・収穫可能となったが、従来は植えてから収穫まで3~7年を要していたことから別名「三七人参」とも呼ばれている。
ウコギ科トチバニンジン属のアメリカンジンセンは、アメリカ北東部からカナダ南部の森林地帯に分布する人参。米国先住民が伝統薬として重用した歴史を持つ。有効成分のジンセノシドが豊富で、特に鎮静作用の報告されているRe1とReを多く含んでいる。サポニン成分含有率が5~7%と高く、高麗人参と区別するために「西洋人参」とも称され、主にアメリカのウィスコンシン州で生産されている。
カンカは、ハマウツボ化ニクジュヨウ属の寄生植物。中国・新疆ウイグル自治区のタクラマカン砂漠南部に位置するホータン地区を産地とし、砂漠人参とも呼ばれている。昼夜の寒暖差30度以上、年間降水量35mmの極めて過酷な自然条件の中で水や養分を吸い取り成長し、現地では過酷な環境下のスタミナ源として古来より常食されている。つづく
詳しくは健康産業新聞第1677号(2019.10.2)で
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