京都でクロレラの研究会、プレバイオ作用など明らかに

 クロレラ・機能性植物研究会(大会長:札幌医科大学名誉教授・武田秀勝氏)は9月8~9日の2日間、京都で研究集会を開催、80人以上が参加した。大会長の武田氏は、「食品の生理活性とエビデンスを求めて、健康寿命の延長に貢献できるように正しい情報を提供していきたい」と挨拶した。

 若手研究者が様々な知見が報告された。サン・クロレラの藤島雅基氏は、クロレラ摂取と葉酸代謝について発表。半年間の二重盲検ランダム化比較試験を実施、クロレラ摂取群は葉酸の血中濃度が2.1倍に増加し、血漿総ホモシステインが3ヵ月で有意に低下、以後濃度を維持したことを報告。「クロレラ摂取は葉酸の供給源となることに加え、その代謝に係る遺伝子の発現量が増加する」ことを突き止めた。

 東北大学の今埜望氏は、「クロレラの免疫賦活化能についての解析」をテーマに講演。クロレラに含まれる多糖類は「トル様受容体2」を介して、抗原提示細胞を活性化することを突き止めた。また、「クロレラ多糖類は乳酸菌増殖能を有することを示した」ことに言及。「クロレラ多糖類画分は免疫賦活能を有するとともに、プレバイオティクスとして働く可能性も示唆された」とした。

 同志社大学の野村友哉氏は、近年注目されている運動と認知トレーニングを組み合わせた“コグニサイズ”と、クロレラの認知機能に及ぼす併用効果を検証。高齢者13人を対象にした試験で、クロレラ併用群において、記憶機能の単語記憶、遅延再認が有意に向上。さらにメタボローム解析により、「記憶機能の改善に関係するベツリン酸がクロレラ併用群で有意に高値を示した」とした。

 

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