「食事の栄養摂取量」基準改正へ、厚労省が意見募集
厚生労働省は8月26日、「食事による栄養摂取量の基準」の一部を改正する件(案)の概要について意見募集を開始した。摂取が望ましい熱量・栄養素の量の基準を、3月にまとまった「日本人の栄養摂取基準(2020年版)」策定検討会の報告書案で示された指数等に合わせることとするという内容。9月8日まで意見募集を実施、9月下旬をめどに告示し、来年4月1日に適用する予定。
「策定ポイント」によると、タンパク質に関しては、摂取実態と栄養素としての重要性を鑑みて、中高年層の目標量(%エネルギー)の「下限」を引き上げることとした。15年基準では50歳以上で「13~20」としていた目標量について、男女とも50~64歳は「14~20」、65歳以上は「15~20」に引き上げる。
ビタミンDについては、骨折リスクを上昇させない必要量に基づき、目安量を設定。18歳以上の目安量は、15年基準の5.5㎍から8.5㎍に引き上げることとした。フレイル予防の観点からは、可能な範囲で適度な日光浴を心掛けることなどを付記した。
ナトリウム(食塩相当量)の目標量は、18歳以上の場合、8.0g未満から7.5g未満、女性は7.0g未満から6.5g未満に引き下げる高血圧・慢性腎臓病(CKD)の重症化予防のための量は男女とも6.0g未満とした。
またクロムについて、新たに「耐容上限量」を設定。10㎍を目安量とする18歳以上では、500㎍を耐容上限量とした。食事摂取基準2020年版ではこれ以外にも、食物繊維など各栄養素等で一部変更点が示されている。詳しくは健康産業速報第2358号(2019.8.27)で