特集【男性サポート商材】 活力系、マカ中心にドリンクが人気

 活力系商材は、健康食品の1つのカテゴリーとして定着している。本紙が健康食品・受託製造事業者を対象に実施している定期調査の「受注・件数が伸びている商品カテゴリー」で、過去3年をみると5位、6位、5位にランクイン。総合ディスカウントストアやドラッグストアでは、ドリンク、サプリメント、ゼリーを陳列した専用コーナーを設ける店舗も目立つ。

 店販ルートではドリンクが人気。500円以下の低価格品から3,000円前後まで製品価格の幅は広い。ポッカサッポロフード&ビバレッジは、「マカの元気」シリーズをドラッグストア、コンビニエンスストアなどで展開。「今年上半期の飲料全体は苦戦しているが、『マカの元気ドリンク』は堅調に推移している」という。『マカ皇帝倫液』を販売するメタボリックもドリンク類の今年上期出荷量は前年比を超えた。コンビニエンスストアで高いシェアを誇る「凄十」シリーズを展開する宝仙堂もドリンクの売上は前年比を超え好調を維持。グミタイプ3種類も拡充するなど、新たな顧客獲得に向けた取り組みも行っている。

 新商品では、アンファーが5月から「スタンドアップ(ドリンク・サプリ)」シリーズの販売を開始した。また最近は、“妊活”目的で利用する男性も増えているという。セクシャルウェルネス事業を推進するTENGAヘルスケアでは、男性の妊活向けに『精育支援サプリメント』を自社ECサイト中心に展開。「男性のみならず、パートナー用に女性が購入するケースも少なくない」という。

 活力系商材に用いられている機能性成分は、認知度が高いマカをはじめ、トンカットアリ、カンカ、ニクジュヨウ、高麗人参、ムイラプアマ、コロハ種子、ニンニク、L-シトルリン、L-アルニギン、亜鉛などが流通。新素材では、三菱ケミカルフーズがオリーブ葉抽出物に男性機能の改善作用があることを確認。オリーブの新たな切り口として提案を進めている。スッポン、マムシ、ハブ、豚睾丸、馬心筋、カキ、オットセイ、イミダゾールといった動物性素材も根強い人気がある。オットセイに含まれる有用成分を用いた医薬品や、健康食品などの製造・販売を手掛けるヴィタリス製薬は、大手精力剤専門店の販売実績をもとに、ドラッグストアにも採用され、販売チャネルが広がっている。

 「1日に何度もトイレに行く」「夜間の頻尿が続く」「排尿後に残尿感が残る」――といった排尿トラブルに悩む人は1,000万人を超えるともいわれている。「平成28年国民生活基礎調査」によると、「頻尿」の自覚症状がある有訴者率は、高齢者ほど高く、人口千人あたり男性65歳以上は96.4、75歳以上は126.0におよぶ。症状別でも男性65歳以上は、1位の「腰痛」に次いで「頻尿」が2位、男性75歳以上は、「腰痛」「聞こえにくい」に次いで「頻尿」が3位となっている。

 こうしたなか、予防対策の1 つとしてサプリメントが流通。代表格のノコギリヤシは、北米南部などに広く自生するヤシ科のハーブで、欧州では医薬品として認可されている。市場では国内トップシェアを誇るインデナジャパンをはじめ、BGG Japan、東洋サイエンス、サンブライト、海佑商事などが供給。国内流通量は30~40t前後と推測される。新素材では、沖縄産シークヮーサーが注目を集めている。果皮に含まれるノビレチンに排尿障害改善作用があることがヒト試験で確認された。研究開発から販売まで手掛ける沖縄リサーチセンターでは、「県外から問合せが増えている。機能性表示食品を照準にエビデンスデータの蓄積を進めていく」としている。つづく


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