特集【ハラルビジネス】 2025年ハラルブーム到来!?

 日本におけるハラル市場が近年、訪日ムスリム訪日外国人観光客の増加に伴い、盛り上がりを見せている。日本政府観光局は、2018年の訪日外客数は、前年比8.7%増の3,119万2,000人となり、同局が統計を取り始めた1964年以降、最多となった。2018年の訪日外国人旅行者数は、マレーシアからは前年比4.5%増の約46万人、インドネシアからは前年比3.1%増の約40万人となり、ムスリムの多い東南アジアの国からの訪日旅行者数の増加が顕著に。

 マスターカード・クレセントレーティングが調査した「グローバルムスリムトラベル指数(GMTI)2019」によると、イスラム協力機構(OIC)非加盟国における、ムスリムフレンドリーな観光地として、1位シンガポール、2位のタイに続き、日本は昨年4位から3位となった。また「Global Muslim Travel Index 2019」では、日のハラル市場は2012年の479億円から、2016年には806億円まで上昇。来年2020年には1,148億円にも達する見込みだ。

 健食業界の動向を見ると、ハラル認証サポートを展開しているアジアハラール協会は、食品を中心に、健康食品やサプリメントに関する問い合わせも増加傾向にあるという。さらに、近年訪日外国人観光客急増による要因で、インバウンド需要も年々拡大していると話す。ムスリム訪日外国人観光客の大半を占める、マレーシア、インドネシアに向けた、インバウンドには、ハラル認証取得が成功の鍵となると語った。

 マレーシア貿易開発公社のNiqman氏は、1970年代にマレーシアで始まったハラル認証は、現在ビジネスと上手く融合しながら発展し、宗教よりもビジネスの側面を持ちながら拡大していると話す。さらにマレーシアを含むアジア地域では、所得水準の向上や、健康志向の高まりを背景に、健康食品やサプリメントの需要も大しているという。

 日本の食品は、メイド・イン・ジャパンとして世界の信頼を得ている。高価でも「安全」「高品質」なイメージを持つ日本の健康食品は、ハラル認証と組み合わせることで、インバウンドビジネスの拡大が期待されると語った。実際、本紙が6月に健康受託メーカーを対象に行ったアンケートでもハラル導入済み企業が前年比10%増加。導入予定を検討している企業が前年比16%増加という結果に。健康食品産業における、ハラル市場の成長を裏付けた。

 今年7月に行われた「ハラルジャパンフォーラム」で、関係者は、2020年の東京五輪、ドバイ万博といった国際イベントを機に、2025年の大阪万博に向けたハラルブームが目前に迫ってると話す。関連団体企業が見据える先は、2025年の大阪万博だという。東京五輪やドバイ万博で、ハラル商品のテストマーケティングを行い、ムスリムの消費ニーズをしっかり見定めて行きたいと話した。つづく


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