国セン、サプリ「崩壊性」 日本薬局方で試験

 国民生活センターは8月1日、日本薬局方に基づき錠剤・カプセル状の健康食品100品の崩壊試験を行った結果、42品が医薬品で定められた規定時間内に崩壊しなかったとする商品テスト結果を発表した。

 調査対象となった100品は、「マルチビタミン」「GABA」「黒酢、香醋」「コエンザイムQ10」「酵素」「HMB」「ルテイン」「乳酸菌類」「グルコサミン」「DHA、EPA」の10カテゴリー・各10品。このうちGABA・ルテイン・グルコサミンの各3品、HMBの2品、計11品が機能性表示食品。第17改正日本薬局方に基づく崩壊性テストを行った。

 その結果、42品は規定時間内に崩壊せず、局方基準に適合したのは約6割という結果になった。なお局方基準で崩壊しなかった健康食品の中には、GMP工場で製造されたものもあったという。

 記者説明会で商品テスト部テスト第1課課長の中埜洋司氏は、「食品であり医薬品と同じ基準でやっていいかというところはある」としつつ、健康食品には統一規格がないため、まずは局方に基づく試験を実施したと説明。「崩壊しなかったからといって、これがダメということではない」と補足した。

 機能性成分の含量調査では、機能性表示食品11品で表示量を下回ったものはなかった。ただGABAで1品、表示量の2倍以上含まれていたものがあった。衛生面では、油脂が多く含まれる健康食品44品の中には、劣化の指標となる「酸価・過酸化物価」が高いものが一部あったが、摂取量が少量であり、特に問題ないと考えられるとした。また、100品すべてで、微生物による汚染が問題となるようなものや、鉛・ヒ素に汚染されたようなものは見られなかった。

 外観調査では、異物の付着や割れなど明らかな異常は見られなかった。一部のハードカプセル製品で、内容物が固まっていたものがあったが、冷蔵庫や洗面所に保管しており、その時の「温度や湿度の影響で変質した可能性が考えられた」としている。

 国センでは、医薬品の規定時間に崩壊しなかったものや、成分表示量と含有量に大きなかい離があるものがあったとして、業界・事業者に対し、「一定以上の品質の商品が製造されるような共通の規格・基準」の作成など、品質向上に向けた取り組みの検討を要望した。

 (公財)日本健康・栄養食品協会は国セン発表の翌日、GMP認定工場に対し、錠剤・カプセル状等食品の崩壊試験を義務化すると通知。これらの剤型の製造に当たって「別途定める崩壊試験をロット毎に行わなければならない」との記述をGMPガイドラインに追記する。今後、適切な崩壊時間を含めて検討、早期に協会案を示す意向だ。(一社)日本健康食品規格協会でも義務化の方向で検討、理事会を経て最終決定する。なお両団体とも、従来から崩壊試験の実施を推奨している。

 

詳しくは健康産業新聞1674号(2019.8.21)で
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