【話題追跡】 米国で人気の「GLP-1」 、 国内での市場性は

 小腸から分泌されるホルモンの1つであるGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)。インスリンを分泌して血糖値を下げる働きのほか、摂取した食物の胃からの排出を遅らせる作用や、食欲を抑える作用などを有する。GLP-1受容体作動薬は、糖尿病患者などに利用されている。米国の民間調査によると、2035年までに米国人口の約7%がGLP-1受容体作動薬を使用するとの予測も出ている。こうした中、米国ではGLP-1受容体作動薬使用者を側面から支えるサプリメントや、GLP-1受容体作動薬同様の作用を訴求する原料を用いたサプリメントなどが流通する。3月の「ナチュラル・プロダクツ・エキスポ・ウエスト」では、GLP-1をターゲットにしたダイエット・血糖値対策サプリメントの出品が目立った。会場では、GLP-1受容体作動薬使用者に向けた栄養補給サプリメントをはじめ、消化や腸に良い働きをする商品設計のサプリメントなどが多数みられた。

 

 米国で大きなトレンドになっているだけに、国内市場における今後の動向が気になるところ。国内では過去に、一部の美容クリニックなどが、GLP-1受容体作動薬について、美容やダイエット目的の不適切な使用が問題となり、国民生活センターや日本糖尿病学会が注意喚起した経緯がある。原料・販売メーカーからは、「マイナス報道があり、取り扱うかまだ様子を見ている」「食欲抑制サポート素材は、リバウンドが生じやすいので継続性に欠ける」と慎重な声が挙がる。一方で、「今年に入り、GLP-1分泌の促進作用を有する機能性素材が欲しいといった問い合わせが増えている」「停滞気味のダイエット食品市場の起爆剤として期待している」などの声も。抗メタボ向けに、機能性表示食品の届出を目指す事業者もある。つづく

 

 

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