【話題追跡】 医療機器として再出発、 成長著しいリカバリーウェア市場に要注目

 (一社)日本リカバリー協会が昨年12月に発表した「リカバリー(休養・抗疲労)白書2024」によると、2024年のリカバリー市場は、前年比1.1%増の推計6兆円に達した。2019年以降、市場は右肩上がりで拡大しており、同協会では2023年には14.1兆円の市場を予測している。国民の休養・抗疲労ニーズを背景に、リカバリー市場には様々な商材・サービスが誕生。その一翼を担う製品として、リカバリーウェアに注目が集まっている。リカバリーウェアとは、鉱物等を織り込んだ特殊繊維を用いた衣類で、遠赤外線の輻射熱により血行を促進するのが特長。快眠ニーズの高まりと共に注目を集め、徐々に市場を拡大してきたが、コロナ禍に在宅勤務が増えたことで、ストレスや不眠に悩む人が増える中、血行を促進して疲労回復、肩こり・腰痛に期待されるリカバリーウェアのニーズが急伸した。

 

 一方で、市場には「温熱パック」という全く関係ない製品を届出に使用し、一般医療機器として効能効果を謳う製品と、一般衣料品として販売するメーカーが乱立。最大約80社が参入し、玉石混交かつ不公平な市場環境が続いていた。これを受け、厚生労働省は2022年10月、42年ぶりに一般医療機器「家庭用遠赤外線血行促進用衣」を新設。(一社)日本医療機器工業会の自主基準に則り、臨床試験で遠赤外線加工を施していない対照群と比較して、一定時間の着用で血流量の差異が5%以上確認されたものが届出の基準を満たすことになった。

 

 PMDAのHPによると、6社(販売メーカー25社)・42品が届出を済ませ医療機器番号を取得。23年12月比で社数・品目とも3倍となっており、市場は健全な形で整理されつつも拡大基調にある。先行メーカーの山本化学工業では、百貨店外商ルートやボディビルダー等のアスリートを対象に順調に売上を伸ばしている。りらいぶやTENTIALは、テレビCMを積極的に展開。りらいぶは既に累計200万枚を超える売上を達成。TENTIALは2月28日付で東京証券取引所グロース市場に上場を発表。盛り上がりを見せるリカバリーウェア市場の今後の動向に注目される。つづく

 

 

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