【インタビュー】 多種多様な薬理活性が最大の魅力
20年以上に亘り、霊芝の機能性研究に従事する九州大学農学研究院の清水邦義氏。現在、機能性表示食品を目指す企業を支援する「目利き調査事業」(福岡バイオコミュニティ推進会議)にも参画している。今回、霊芝の魅力や機能性表示食品開発の可能性、今後の霊芝市場の展望などについて話を聞いた。
──霊芝の魅力や、注目する健康機能について
霊芝の研究を本格的に始めたのは2000年頃。私自身、キノコの健康機能にとても興味がありました。色々と情報収集している中、数ある食用キノコの中で、伝承的な薬効があるものの、科学的エビデンスが不足していたのが霊芝でした。霊芝は、多糖類、ペプチド類など、様々な機能性成分が含まれています。加えて、数百を超える霊芝由来(ラノスタン型)トリテルペノイド類が含有されており、その一つ一つの成分が持つ多種多様な薬理活性こそが最大の魅力と言えます。
研究を進めていく中、男性ホルモンであるテストステロンやジヒドロテストステロンの化学構造が、霊芝由来トリテルペノイド類と類似していることから、高齢者男性ホルモン性疾患に対する効果を臨床試験で検証しました。その結果、前立腺肥大抑制効果があることを確認しました。女性についても、性ホルモンは、霊芝由来トリテルペノイドと構造的類似性があります。動物実験レベルまでの検証に留まっていますが、骨粗鬆症など高齢者女性のホルモン性疾患の改善効果が期待できる結果を得ることができました。一方で、数百を超える霊芝由来トリテルペノイド類による多種多様な薬理活性を考えると、私たち研究者が明らかにしている機能性については、氷山の一角に過ぎないということを、研究をすればするほど、思い知らされます。
──霊芝を活用した機能性表示食品を開発する際のポイントは
現在、免疫に関する機能性表示食品として受理されている機能性関与成分は、乳酸菌や酢酸菌など細菌そのもののみです。霊芝のようなキノコ類は、霊芝そのものを、機能性関与成分として規定することは制度上できません。その上で、重要なのは「機能性関与成分の選定」「成長段階による成分変化を踏まえた成分規格化」。特に、菌糸体から子実体の成長段階によって含有成分が大きく変化することが霊芝の場合、届出の大きなハードルになっているのが現状です。霊芝の子実体に着目する場合は、十分に留意した方がよいです。また、機能性表示食品の開発する上で霊芝は、健常者を対象とした臨床試験の報告が少ないです。残念ながら機能性表示食品の条件に合った論文はほとんど見当たりません。さらなるエビデンスデータの蓄積が待たれるところです。その上で、ストレス、不安感、疲労感、睡眠関係など、男性更年期症状改善に着目したヘルスクレームなどは期待できるのではないかと考えます。霊芝関連業者や、アカデミア研究者によるチャレンジに期待したいです。
つづく
詳しくは健康産業新聞1804号(2025.1.15)で
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