連載⑪【海外ヘルスケア最前線】 海外市場における今年のトレンドワードは 

 欧米を中心に変化するヘルススケアビジネスに携わり、健康食品事業を手掛けるOctroll㈱・代表取締役社長の田中啓之氏が、海外ヘルスケア市場の最新動向などを紹介する。第11回目は、「2025年の注目トレンド」。

 

 今回は様々なニュースから今年のトレンド予測の要点をまとめました。大手調査会社であるユーロモニター社が消費者データと社会パターンを分析して発表した今年のトレンド予想では、最も重要なキーワードとして「健康寿命計画(Health Span)」を挙げています。世界的な高齢化、コロナ禍を経ての意識変化、ウェアラブル技術の浸透―― などを背景に、これまでの「長寿(Longevity)」のみを求める需要から、より長く健康的な生活を送るための行動変容にシフトしていることが指摘されています。こうしたマインドは、健康の最適化を“贅沢”ではなく“不可欠”なものと考える若年層で、より顕著であるようです。ウェアラブルデバイスや、パーソナライズされたサプリメント、健康アプリなどのテクノロジーの浸透もこのトレンドに拍車をかけています。

 

 ユーロモニター社では、この俯瞰したトレンドをベースに注目するカテゴリーについてもまとめています。まずは「細胞の健康」が多く挙げられています。具体的には、2024年前半に「細胞の健康」を訴求した商品の販売は世界32ヵ国で135%増加しており、また何らかの形でNAD+を訴求した商品は2023年から2024年にかけて約3倍に増加しています。特にこの「細胞の健康」分野では、科学的根拠に基づいた説明可能な有効性が求められており、2025年も旺盛な需要は継続すると見込まれています。これ以外では、更年期障害予防や月経ケアを中心としたフェムテック分野も引き続き注目トレンドとして散見されています。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1804号(2025.1.15)で
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