【話題追跡】 「プロテインがもたらすイノベーション」、海外トレンドにみる潮流は?
米国業界紙 New Hope Network(インフォーマグループ)は昨年12月、自然食品・飲料、サプリメント、美容などに関する2025年のトレンド予測25を発表。「食品・飲料」では、「プロテインがもたらすイノベーション」をトレンドに挙げた。また、米国大手自然食品店ホールフーズマーケットが発表した「2025年の食品・飲料トレンドトップ10予測」でも、「プロテインのパワーアップ」がトレンド入りするなど、今年もプロテインが市場を席巻しそうだ。
プロテインの商品開発が活発だ。本紙が健食受託製造企業を対象に行った24年下半期の人気受注素材調査では、プロテインが前回の4位から3位に上昇。かつてアスリートやボディビルダー向けの商品が多かったプロテインは、美容目的に利用する女性層やロコモ・サルコペニア対策として利用する高齢者層、成長期の栄養摂取補助を目的としたジュニア層向けの商品化が進んでいる。競合が増えたことに伴う価格競争も激化。一方で昨今の為替動向や物価上昇による利益圧迫を受け、ブランドオーナー各社では海外トレンドに習い高付加価値戦略による脱・価格競争に舵をきる動きも出てきた。
海外ではどのようなプロテインがトレンドなのか。ヨーロッパでは「クリアプロテイン」の売上が好調だ。高濃度で分離・濾過して作られる透明なプロテインで、パイン系やラズベリー系といったジュースフレーバーと相性が良い。爽やかな喉ごし・滑らかさが受けているという。ヨーロッパ中心の潮流であり、高付加価値かつ売上が見込めると日本のサプライヤーも昨今注目するプロテインだ。牧草を食べて育った牛(グラスフェット)のプロテインも海外トレンド。米国のGoogle検索では、サステナブルの視点からここ数年右肩上がりに検索頻度が上昇している。放牧で健康的に飼育した牛の牛乳が原料で、人工飼料やホルモン剤、抗生物質などを使用せず、無農薬かつ化学肥料不使用の牧草で飼育しているのが売り。安全性の高さを訴求する商品への採用が目立つ。「酸性系フレーバーでも固まりにくいプロテイン」も海外トレンド。低pHでも溶けやすいホエイプロテインを使った開発が進む。「熱変性に強いプロテイン」訴求では、カゼインプロテインの提案が活発だ。アスリート向けでは、ガラクトオリゴ糖などを組み合わせることで腸の負担軽減を図る原料提案も。「日本での販売を検討している」との声も聞かれた。つづく
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