新年号特別企画【ロコモティブシンドローム対応素材】 機能性表示食品800品超、「骨」「筋力」分野の商品開発が活発
健康寿命の延伸を達成する上で、フレイルやロコモ、サルコペニア対策は欠かせない。総務省統計局が昨秋に発表した調査によると、65歳以上の高齢者人口は3,625万人で、総人口に占める割合は過去最高の29.3%になった。団塊世代が75歳以上になり、75歳以上の人口は2,076万人で、総人口の16.8%に。高齢者の割合は今後も上昇し、2045年に36.3%の3,945万人になる見込み。海外と比較しても人口10万以上の200の国・地域の中で、日本は29.3%で最も高い。こうした中、近年は栄養面の観点からロコモ、サルコペニア(加齢性筋肉減少症)、フレイル(虚弱)などに関する研究が進展。国立長寿医療研究センターが発刊した「健康長寿教室テキスト第2版」では、ロコモ、フレイル、サルコペニアに関する基本的概念に加え、フレイル予防に大切な栄養素としてビタミンD、カルシウム、分岐鎖アミノ酸、HMBなどを紹介している。
順天堂大が高齢者専門大学病院の内科外来を受診した65歳以上の高齢者で、自立歩行可能な男女1,042人を対象に実施したサルコペニアの実態調査では、サルコペニア有病率は21.4%だった。年齢が上昇するにつれて増加し、男性は女性と比べて80代以降で有病率が急増した。栄養評価では、サルコペニア患者は、低栄養に関するスコアが高かった。
適度な運動とバランスが摂れた食事と共に、健康食品の役割に期待が高まる中、サプリメント、飲料、健康志向食品の製品開発は相変わらず活発だ。本紙が昨年の12月に実施した健食受託製造企業調査でも、「受注件数が伸びている商品カテゴリー」で、「ロコモ対策」「フレイル対策」は、両方を合わせると4位にランクインした。機能性表示食品の「関節」「骨」「筋力」「歩行能力の維持」分野の累計受理数は800件を超える。昨秋には、サントリーウエルネスが機能性表示食品のサプリメント『ロコモア』をリニューアル。ケルセチン配糖体を増量し、パッケージを刷新した。最近は、筋力維持や骨強化における理解が進み、“筋活”“骨活”を切り口とした商品も増えている。つづく
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