特集【健康茶】 味・風味に+αで市場深耕

 生活習慣対策や美容、ダイエット、便秘対策をテーマとする商品が好調に売り上げを伸ばしている。美容関連はビタミンやミネラル成分を含む「ルイボスティー」が市場に定着。「あずき茶」はダイエットに取り組む人などの支持を集め、昨今のECチャネルでは常に上位にランクインしている。美容・健康関連全般では「黒豆茶」も手堅い需要を獲得、ポリフェノールやタンパク質、ビタミンE、イソフラボンなどの成分をアピールする商品化もみられる。「ごぼう茶」は食物繊維のイメージが浸透し、便秘対策としての利用が進んでいる。健康茶の主な販売ルートは、通販やドラッグストア、量販店、専門店、飲食業など。売れ筋を自然食品専門店にヒアリングしたところ、「ハーブティー」「松葉茶」「韃靼そば茶」「ルイボスティー」「どくだみ茶」「ごぼう茶」などが挙がった。通販(アマゾン・ヤフーショッピング)では、「あずき茶」「サラシア茶」「黒豆茶」「松葉茶」「桑の葉茶」「そば茶」などが上位に名を連ねている。

 

 受託企業では独自の焙煎技術や処方開発で様々な顧客ニーズに対応。健食GMP、HACCP、FSSC22000などの認証取得で、品質と安全性を追求する動きが広がっている。ブランドオーナーからは健康茶を差別化したいという様々な要望も寄せられている。今年の問い合わせ内容をヒアリングしたところ、「インフルエンサーを起用した商品化が増えた」「キャンドルブッシュやギムネマの引き合いが多い」「生産者(個人事業主)が新規事業として商品化する案件があった」「海外(中東)はフレーバー需要があり、複数の柑橘系を混ぜたものやマロン系の引き合いがあった」「ドイツはルイボスベースのフレーバーが増えている」といった声のほか、機能性関連では「健食原料を使ったハーブティーを作りたい」「機能性表示のできるティーバッグ商品の問い合わせが寄せられた」などの声が。腸内環境や美容、抗糖化、肌弾力、関節をテーマとする原料のブレンドニーズが寄せられている。機能性表示食品は、血流改善や血糖値上昇抑制を訴求するルイボスティー、便通改善を訴求するごぼう茶などの届出が受理されている。

 

 日本のハーブティー市場は年平均成長率(CAGR)8.76%で成長し、2032年には26億米ドル(約4,000億円)に拡大する――。調査会社のReportOceanの試算でわかった。有機およびナチュラル製品に対する需要の高まりが要因のひとつと分析。カモミールティーについて、「鎮静効果やストレス・不安の軽減、そしてより良い睡眠を促す可能性が知られている。ウェルネストレンドが消費者の選択に影響を与え続ける日本では大きな存在感を示している」としている。つづく

 

 

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