【話題追跡】 大手・有名企業からの引き合い急伸、 水素サプリは市民権得られるか
本紙調べで2024年通期の水素商材の市場規模は、前年比12.4%の約265億円(メーカー出荷金額ベース)となった。300億円市場を射程圏に捉えた水素商材市場で、今年は水素サプリメントやコスメ、入浴料などが同25%増と大きく伸びた。なかでも水素サプリは最近、医療機関やエステサロンの物販用として伸長。さらに大手・有名企業からの引き合いが急伸しているという。
「臨床現場で長年、高濃度水素ガス吸入器を導入してきたが、最近はむしろ水素サプリが効果的な気がしている」。ある学会で、臨床医からこんな言葉を聞いた。その理由は、水素サプリは、水素ガスを吸蔵したミネラル素材が消化するまでの間、体内で水素ガスを発生し続けるためだと話した。水素を体内に取り込む方法にはいくつかあり、水素ガスを直接吸入する方法をはじめ、水素ガスを溶解させた水素水の飲用、水素ガスを多孔質のミネラル素材に閉じ込めた水素発生原料を用いたサプリの摂取、水素ガスを経皮吸収させる水素入浴料や水素コスメなどがある。これまでは水素水の飲用や水素ガスの吸入などにスポットが当たってきたが、ここにきて水素サプリに注目が高まっている。もちろん、水素分子で初の機能性表示食品に受理された新菱の水素ゼリーの影響も大きいと思われるが、水素の摂取方法により、それぞれ役割が異なることが知られてきたことも一因だろう。
慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(KGRI)水素治療開発センターはこれまで、水素ガス吸入および水素水飲用による体内動態を発表しており、その結果からも水素ガスを体内に取り込む方法によって、体内での水素ガスの役割が異なることが証明されている。現在は水素入浴の体内動態についても研究中という。こうした研究の成果により、これまで良く聞かれた「水素水よりも、水素ガス吸入の方が優れている」といった議論が、不毛なものとなりつつあり、宮川先生の言う「どんな形であれ、水素は良い」との考え方が、業界に浸透し始めていることも大きい。水素発生原料のサプライヤーやOEMメーカーの話では、今年は大手・有名企業からの引き合いが増えているという。水素サプリを販売する有名企業は、これまでディーエイチシーくらいで、あとはホットヨガのLAVAや、エステプロラボなど限られていたが、銀座まるかんが市場参入するなど、にわかに水素サプリ市場は盛り上がりつつある。つづく
詳しくは健康産業新聞1801号(2024.12.4)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら