連載【自然食品店・オーガニック専門店の戦略】 「食文化継承」「フェアトレード」「環境保護」など、エシカル消費に選択肢を
オーガニック食品を扱う㈱こだわりやは昨年3月、商業施設・パルコ内に上野店(東京都台東区)をオープンした。原材料や伝統製法、作り手の想い、素材本来のおいしさが伝わる商品を提供している。繁華街の客層に対し、どのようなアプローチを進めているのか。店長の調義久氏に話を聞いた。
■日本の食文化継承に尽力
国産の農畜産物を消費することは、日本の農業を守ることに繋がります。当店では、島根、熊本、大分、宮崎などにスポットを当てた地方フェアも定期的に実施することで、生産者のサポートに取り組んでいます。このほか、伝統製法で作った食品や発酵食品などの後世に残したい食文化継承もテーマに掲げています。接客では、生産者と消費者を繋ぐ架け橋になることを意識しています。オーガニックや自然食品、食文化などを伝えるためには、生産者がどのような思いで作ったのかといったストーリー性の発信も必要です。当社では生産者を招いた勉強会や産地見学により、スタッフのスキルアップを図っています。一方、消費者の声を生産者に伝えることで、生産者のモチベーション向上にも繋げています。
■エシカル消費の選択肢を
店頭では、フェアトレードや福祉、環境、オーガニックなどをテーマとする商品を販売しています。我々はSDGsの目標が掲げられる以前から、既にこうしたテーマに取り組んできました。消費者の安心・安全を求める需要に対応するほか、購入することで「環境に配慮したい」「生産者を応援したい」という利他的ニーズにも対応しています。この潮流は昨今、若い世代にも波及し始めたように思います。リピート客を増やすため、季節感が感じられるフェアの開催にも取り組んでいます。このほか、陳列方法ひとつで売上げは左右されるため、例えば小さいサイズの商品はエンド台で見やすく陳列するなど、商品とお客様の距離感は常に意識しています。つづく
詳しくは健康産業新聞1800号(2024.11.20)で
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