連載⑧【海外ヘルスケア最前線】 北米・機能性素材展「サプライサイドウエスト」からみるトレンドは
欧米を中心に変化するヘルススケアビジネスに携わり、健康食品事業を手掛けるOctroll㈱・代表取締役社長の田中啓之氏が、変化する海外ヘルスケア市場の動向などを紹介する。第8回目は、「北米市場のトレンド」。
10月30〜31日に米国・ラスベガスで開催された「Supply Side West 2024」(インフォーマ マーケッツ主催)に参加しました。同展示会は約1,650社が出展し、2万人以上が来場する北米最大規模の機能性素材展です。当社が所属するノルウェーグループの姉妹会社がブースを出展したため、その手伝いもあり、会場に足を運びました。そうした文脈から現場の生の声を併せてレポートさせて頂きます。
総論としては、原点回帰的なトレンドが多く目に付き、その中でも一部今後の拡大が期待されるスター候補が小規模に見られたのが今回の印象です。まずは原点回帰的なトレンドですが、魚油やコラーゲン、プロバイオティクス(乳酸菌)など、定番素材の出品が多く、数年前の“CBD祭り”や、直近の“グミサプリブーム”のような革新的な勢いを感じるものは限定的でした。“プラントベース”を謳ったブースも一時期よりも少なく、こちらはある意味デフォルトになりつつある位置付けかと整理しています。
その中でも生体利用率の高さを訴求したマグネシウムや、遺伝子組み換えでDHAを規格化した菜種油、植物性を謳ったコラーゲン、オメガ11を訴求する魚油など、原点回帰的なトレンドの中でも差別化を図ろうとする素材が散見されました。今後の拡大が期待されるスター候補としては、ダイエット目的でGLP-1分泌を促す機能性素材が複数展示されていました。CNNの報道では約1,500万人の米国人がGLP-1注射を処方されており、2028年までにはその使用者が7,000万人に達するとの予測も出されています。お国柄もありますが、こうした切実な需要は爆発力があるかもしれません。つづく
詳しくは健康産業新聞1800号(2024.11.20)で
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