【話題追跡】 メンテック市場は広がるのか
出生数、初の70万人割れか――。厚労省が11月5日に発表した人口動態統計では、今年1月から6月までの出生数は32万9,998人で、昨年同時期比で6.3%減少したことがわかった。出生数減少は8年連続。また、不妊を心配したことがある夫婦は39.2%で、夫婦全体の約2.6組に1組の割合との調査結果も。不妊の約半数は男性側に原因があるとの民間調査も発表されている。男性特有の健康課題をテーマとする“メンテック”はフェムテックに次ぐトレンドを生み出すのか、今後の動向に関心が寄せられている。
食品開発展2024記念セミナー「フェムケア・オムケアサプリ市場」が10月23日に開催され、㈱富士経済フード&ヘルスケア事業部の西山洋介氏が、メンテック市場は男性機能改善や排尿サポート、AGA、更年期ケア、男性妊活をコンセプトとする商品化が進んでいることを報告。とりわけ「男性妊活」を有望市場と位置付けた。WHOによると、不妊症の内、男女ともに原因がある割合は24%、男性のみに原因がある不妊因子は25%であり、不妊に悩むカップルの約半数は男性側に原因があると指摘している。
また、順天堂大学医学部付属浦安病院泌尿器科教授の著書『名医が教える男性妊活最強辞典』では、男性の約7割が精液検査を受けたことがないことに言及、検査を受けない理由についての調査では、「自分に問題があると思わないから」がトップだった(アンファー調べ)。日本の不妊治療実施数は世界一であり、“不妊治療大国”とも言われている。男性妊活に関する情報は少なく、男性に原因があることの不理解についてもこれまで目を背けられてきた。デリケートな問題ゆえの抵抗感やタブー感から受診をためらう人も多く、予防段階でのケア“メンテック”が果たす役割は大きい。
国内市場における商品化はどのような状況か…。現在は活力やエナジーを訴求する『凄十』(宝仙堂)や『エディソン』(DHC)などが流通しており、マカやスッポン、高麗人参、発酵黒ニンニク、亜鉛などを配合している。こうした中、“妊活プロテイン”という新しい切り口での商品化も見られ始めた。『メンズウェルネスプロテイン』(アンファー)は、男性機能に良い影響をもたらすピープロテインや抗酸化成分“NMN”、亜鉛、葉酸などの17種の成分を配合。プロテインを選択した理由について、「錠剤やカプセルの摂取は薬を飲んでいる気分になり、自分の男性力が弱いことを認めるみたいでネガティブになる」などの声に着目したという。ユーザーからは、「朝食の置き換えで飲んでいる。美味しく栄養補給できるのでストレスがない」などの声が寄せられたとしている。つづく
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