ZOOM UP【抗糖化】 抗糖化、海外からの視線熱く 糖化ストレスの新たな概念も

 糖化は、タンパクと糖が結合して起きるメイラード反応。糖化によって生成されるのが終末糖化産物(AGEs:Advanced Glycation End Products)と呼ばれる数十種類の化合物群で、AGEsには、蛍光性・褐色変化・タンパク同士の架橋形成などの特性があり、この特性が様々な病的老化を促進することがわかっている。AGEsは皮膚や血中、骨中、脳、毛髪にも影響を及ぼし、動脈硬化や糖尿病性血管障害、骨粗鬆症、網膜症・腎症などの糖尿病合併症リスクの増加にも繋がるとして、生活習慣病対策や健康長寿実現の観点からも糖化対策は非常に重要なポジションに位置付けられている。また、AGEsはアルコールや脂質代謝物のアルデヒドからも生成されるほか、高温調理した食品中にも含まれており、食事性による糖化ストレスリスクも高い。睡眠不足によるAGEsの蓄積増加も報告もされており、昨年からのコロナ禍での糖化リスク増大はこうした要素が原因と指摘されている。

 

 糖化研究の第一人者、同志社大学生命医科学部 糖化ストレス研究センター 客員教授の八木雅之氏は、「糖化ストレスは還元糖やアルデヒド負荷による生体へストレスとその後の反応による負の影響を総合的に捉えた概念として2011年に提唱された用語で、老化危険因子のひとつ」と説明。「食品に含まれるAGEsは悪者との考え方もあるが、味噌や醤油などに含まれるAGEsの一種であるメラノイジンに抗糖化作用や抗酸化作用が報告されており、これらは良いAGEsとして再認識されるようになった。このため糖化ストレスの概念は見直す時期になってきた」とも指摘する。いずれにしても糖化対策はアーリーエイジングケアのテーマとして重要な要素と認識されつつあり、特に海外からの関心が高まっている。中国ではSNSを通じて抗糖化が話題となっており、海外に向けた展開がますます加速しそうだ。つづく

 

 

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