【インタビュー】 届出ガイドラインは内閣府令・告示に引き上げ
10年目に突入した機能性表示食品制度は、紅麹問題を受けて、大幅な改正が行われた。企業はパッケージの変更など、新たな対応が必要になる。一方で、GMPが要件化される「サプリメント」の対象範囲など、詳細については来年4月1日までに示すという事項も多い。改正のポイントと今後などについて、消費者庁食品表示課保健表示室長の今川正紀氏に話を聞いた(インタビュー実施日:2024年9月18日)。
── 制度改正のポイントについて
今川 紅麹事案を受けて、制度に対する消費者の信頼性を高めるための措置になる。制度に何らか良くするべき部分があるのであれば、表示の中でできることは全部やるべきだと考えた。健康被害はしっかり報告していただく。サプリメントはGMPに取り組んでいただく。医薬品や特定保健用食品との違いがわかりづらいという意見があったので、表示を見直す。この3つとも法令に位置付けたので規制強化になるが、消費者に信頼されなければいけないので、そこはしっかりやりましょうという内容を盛り込めたと思う。
── 今回の改正について、詳細は来年4月1日までというものが多いが、まとめて示されるのか、個別に示されるのか
今川 まとめて出すほうが分かりやすいが、検討中だ。旧届出ガイドラインには、改善が必要な部分もあったが、必要なことがしっかり書き込まれていた。一方で、ガイドラインは通知だから、法的根拠がやはり弱い。そのため、ガイドラインは内閣府令と告示に可能な限り引き上げる必要があり、今回の改正ではまず、健康被害報告とGMPの件を引き上げた。年度内にどこまでできるかはわからないが、ガイドラインに書いていた残りの部分を可能な限り告示に引き上げたい。ただ、分かれている内閣府令と告示とを一体的に事業者が見られるものがないと分かりづらい。仮に全て告示に引き上げたとしても、今回作成した「マニュアル」などのような形でお示しすることになると思われる。
── サプリメントの定義は
今川 内閣府令の規定では、「サプリメント」という言葉ではなく「錠剤・カプセル剤等食品」としている。これが何かということは、Q&Aやマニュアルなどで示す予定。例示をいくつか出す必要があり、年度末までに、できるだけ早めに示したい。施行まで2年あるとは言っても、早めの準備が必要だと思うので。
── マニュアルの行政的位置付けは
今川 我々からすると守るべき要件。その要件は可能な限りできるだけ内閣府令や告示に引き上げる。マニュアルは、要件と言うよりは、補足説明になる。
── 新規成分の慎重な確認を行う「120日ルール」で設置されるアドバイザリーボードとは
今川 検討中だが、会議体ではなく、専門家に個別に確認するというイメージだ。届出資料に医薬品との相互作用や成分同士の相互作用が書いてあれば、表示への反映をきちんと見なければいけない。摂取上の注意事項に反映したほうがいいかを専門家からご意見をいただく。その過程で60営業日を超える場面もあり得るので、120営業日としている。つづく
詳しくは健康産業新聞1798C号別冊『機能性表示食品開発ガイド』 (2024.10.16)で
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