ZOOM UP【環境配慮型パッケージ・容器】 製品のサステナブル化進む
世界的な人口増加に伴う資源需要の増加、温室効果ガス排出を一因とする気候変動による異常気象の発生、海洋プラスチック等ゴミ問題などを受け、環境配慮への関心が高まりを見せている。2020年頃より、国内では、大手食品・化粧品メーカーが環境に配慮した容器・パッケージの利用を発表し、中小企業にも波及している。2022年4月には、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が施行。脱プラや減プラの動きが加速している。大手企業では、自社で環境負荷軽減の目標を設定し、達成に向け取り組みを実施。ファンケルは、紙パッケージにおける環境配慮紙の採用を2025年度までに100%を目指すと発表。2023年度は87%達成している。資生堂では、2025年までに全化粧品容器を環境配慮型にする目標を発表。2023年度は69%を達成している。
パッケージ・容器市場には、健康食品、化粧品向けの環境配慮製品が続々投入されている。最近では、消費者が製品を購入する際、パッケージ・容器のデザイン性に加え、サステナブルな点も選択肢に入れるようになっている。実際、博報堂が今年2月、全国16~79歳の男女計5,158人を対象に実施した「サステナブル購買行動調査2024でも、「普段あなたが買い物をする際、その商品が環境や社会に与える影響をどの程度意識していますか」という10段階評価の質問に対する回答が、平均で5.12点となり、過去最高値をマークした昨年(5.15点)とほぼ横ばいに。また、「あなたは普段の生活の中で、社会や環境のためになるような行動をどの程度行っていますか」という質問では、平均が5.28点で、過去最高値となるなど、消費者の環境配慮に対する意識は、年々高まりつつある。
ブランドオーナーが企業ブランディング、法規制の遵守、海外展開などを見据え、環境負荷低減の製品開発を進める中、パッケージ・容器メーカーでは、未利用資源の活用や廃棄容器の再資源化など、様々な切り口で、環境に配慮した製品開発やサービスでアプローチを行っている。容器分野では、宮本がこれまで不良品として廃棄していた「黒点付き容器」の中から再利用可能な容器選別を行い、商品として提案を行っている。ツバキスタイルでは、グラセルと共同でBEAUTYCLEを設立。業界初とされる化粧品・トイレタリー容器のリサイクルによる再資源化および、プラスチックボトルの成形を一貫して行うことができるプラットホームを構築。業界初の取り組みは、注目度も高く、多くの企業と提携が進んでいる。
パッケージでは、クラウン・パッケージが、食品や医薬品の加工の際に生じる残渣を木材パルプとミックスしたアップサイクル紙『スマートパピエ®』を提案。オイルパームのヤシカサ、ブルーベリーの皮、カカオの皮、ベニバナの花びら、ゴマの皮など全7種をラインアップし、自然由来ならではの温かみある風合いが取引先に好評を得ている。進洋は、包装作業の品質管理に役立つ、小型で持ち運べるオリジナル実験道具を自作し、製造現場のバックアップを行っている。つづく
詳しくは健康産業新聞1798号 (2024.10.16)で
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