特集【アクティブシニアサポート】 “筋活”“骨活”が浸透、市場は活発に

 総務省統計局が9月に発表した調査によると、65歳以上の高齢者人口は前年から2万人増の3,625万人となった。総人口に占める割合は29.3%。1950年に4.9%だった高齢者の割合は一貫して上昇。2005年に20%を超え、今回過去最高を更新した。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、高齢者の割合は今後も上昇。2045年に36.3%の3,945万人になる見込みだという。海外と比較しても人口10万以上の200の国・地域中、日本は高齢者人口の割合が最も高い。こうした調査からも、健康寿命延伸を達成する上で、フレイルやロコモ、サルコペニア対策は欠かせない。高齢者の健康への意識は高く、内閣府が実施した「令和4年 高齢者の健康に関する調査」では、健康について日頃心がけている高齢者は9割を超えた。心掛けている内容を聞くと、「健康診査などを定期的に受ける」(67.7%)、「休養や睡眠を十分にとる」(67.3%)、「栄養のバランスのとれた食事をとる」(65.8%)、「散歩やスポーツをする」(50.9%)などが上位を占めた。通販協による通販利用の実態調査では、健康食品の購入を性・年代別でみると、男性60・70代は20%を超えている。

 

 9月に開催された「ダイエット&ビューティーフェア」(主催:インフォーマ マーケッツ ジャパン)で「骨活・筋活」をテーマにしたセミナーが行われた。東京皮膚科・形成外科 アンチエイジング専門医の松宮氏は、「筋肉は最大のアンチエイジング臓器」と強調。筋肉が落ちると、サルコペニアやフレイルのリスクが高まることや、脂肪が付きやすくなることなどを説明。筋肉が育つ要素として、レジスタンストレーニング(筋肉に負荷を掛ける動きを繰り返し行う運動)や、アミノ酸、HMB、高タンパク食の摂取などを挙げた。近年、栄養面の観点からフレイルやロコモ、サルコペニアなどに関する研究が進展。適度な運動とバランスの摂れた食事と共に、健康食品の役割に期待が高まっている。健康食品業界では、サプリメント、飲料、健康志向食品の商品開発が活発に。「筋肉・筋力サポート」分野における機能性表示食品の受理件数は200品を超える。原料サプライヤーからは、「高齢者における筋肉維持の必要性が広がり、問い合わせが増えた」「プロテイン商品に使用したいといった相談が複数ある」「スポーツ向けに加え、高齢者向けの商品案件が増えた」など明るいコメントが多数聞かれた。つづく

 

 

 

詳しくは健康産業新聞1798号 (2024.10.16)で
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