連載【自然食品店・オーガニック専門店の戦略】 地方スーパーの一角にオーガニックコーナーを

 ㈱かわた(千葉県野田市)は、オーガニックスーパー「クランデール」を展開している。国内のオーガニック市場や今後の展望について、展示会などのセミナー講師も務める川田睦美氏に話を聞いた。

 

──ヴィーガンとオーガニックは両輪で

 欧州ではヴィーガンを謳う商品は必ずオーガニック認証もセットで商品化されています。一方、日本はヴィーガン認証のみの商品が多く、プラントベースでは農薬使用の国産大豆を原材料に使用したものが目立ちます。ブランドオーナー各社には、ケミカルを省いた商品開発を求めたいです。

 

──有機JAS基準をもっと厳しく

 日本の有機認証制度の在り方に疑問を感じています。昨今では許容農薬が46項目に増えるなど、見方によっては慣行農業と何ら変わりありません。毎年発生する認定料の費用負担もしかり。食の安心安全を求める国民のためになっているとは思えません。我々が取引する生産者は新たに「許容農薬も一切入れていません」と記載したシールを商品に貼り付けるようになりました。有機JASは農薬ゼロと認識する消費者からは、“このシールの意味は何ですか”との質問も寄せられます。海外では有機JAS同等性を疑問視する声も挙がってるようです。許容農薬を緩めるのではなく、政府には厳しい審査を経た立派な認証になるよう誘導して欲しいです。

 

──今後の展開について

 昨年3月に松戸店の敷地内にオープンした「ORGANIC MARKET COCO SEASONS」は、大手では流通できない野菜や納豆、手作り商品などセレクトしています。仕入れ先とは顔が見える関係で意志疎通を図り、“未来の子どもたちのため”という同じ想いのもと、金銭的豊かさでない心のゆとりを発信しています。今後は地方スーパーの一角をオーガニックコーナーに変えていきたいです。いわばコーナー化のコンサル事業です。多店舗展開でない方法で、国内のオーガニック市場活性化を目指していきます。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1798号 (2024.10.16)で
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