連載⑦【海外ヘルスケア最前線】 「ビタフーズアジア」展からみる剤型トレンド
欧米を中心に変化するヘルススケアビジネスに携わり、健康食品事業を手掛けるOctroll㈱・代表取締役社長の田中啓之氏が、変化する海外ヘルスケア市場の動向などを紹介する。第7回目は、「東南アジア市場のトレンド」。
9月18〜20日にタイ・バンコクで開催された「Vitafoods Asia 2024」を視察しました。今回の視察を通じて特に目に付いたのは、容器自体を含めた様々な剤型提案です。日本でも電解質・経口補水タブレットとして徐々に見掛けるようになった水溶性タブレットの商品は多数陳列されていました。欧米市場では、水溶性タブレットをマイボトルに溶かして摂取できる点がSDGsの観点から受け入れられ、さらにHydration需要も相まって、水溶性タブレットの商品は伸びています。“本当に東南アジアにも同様なトレンドが流入しているのか”と疑念を持ちましたが、バンコク市内での市場調査時にも同形状の商品が多数見受けられ、市場に浸透していることがうかがえました。
他にも栄養素と飲料をセットにしたアプリケーション提案も複数見られました。ドイツ企業が展示していた製品は、栄養成分が内包できる飲料キャップ容器で、キャップを捻ることで栄養成分が飲料水部分に混合される仕組みです。また、キャップ部に複数のカプセル剤を内包させたものとショット飲料がセットにされた“オールインワンタイプ”の剤型も展示されていました。キャップ部からカプセル剤を取り出した上で、口に含み、セットになっているショット飲料で流し込むというもの。こちらは全て韓国製で、加工メーカーから販売会社まで、複数の韓国企業が展示をしていました。サムソンやヒュンダイを中心に、海外市場展開に積極的な韓国企業の勢いを垣間見た気がしました。原料自体は欧米市場と共通しているものの、その摂取方法がアジア流にローカライズされていく流れもあろうかと思います。文化差による考察も含めて面白いですね。つづく
詳しくは健康産業新聞1798号 (2024.10.16)で
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