クロレラで新知見、樹状細胞への作用メカニズムなど発表

 クロレラ・機能性植物研究会の第6回研究集会(大会長・北海道医療大学・田中真樹教授)が9月28日、京都市内で開催され、クロレラやエゾウコギを中心に、機能性植物の最新知見が発表された。冒頭、田中教授は、「対面方式で研究集会が開催できたことを嬉しく思う。今回エントリーした一般演題が全12題。活発な議論を通して、参加された方々のお役に立てれば」と挨拶し、幕を開けた。研究会のプログラムは、大会長講演「活性酸素が生体に与える影響」、教育講演「私の生薬研究を振り返って」(京都薬科大学・名誉教授・松田久司氏)と一般演題で構成。一般演題ではクロレラ、エゾウコギの研究発表が相次いだ。

 

 クロレラでは、①クロレラ熱水抽出物(C.G.F)が結合するトル様受容体の同定(東北大学大学院ほか)、②クロレラ熱水抽出物(C.G.F)の乳酸菌増殖活性成分について(㈱機能性植物研究所など)、③クロレラ摂取は剣道の強化練習期間における唾液抗酸化能の低下を抑制する(流通経済大学スポーツ健康科学部、㈱サン・クロレラなど)、④認知機能低下に対するクロレラの予防効果〜行動解析による検討〜(旭川医科大学医学部など)の4題。

 

 ①では、クロレラの樹状細胞に対する作用メカニズムを明らかにするため、クロレラ熱水抽出物・多糖類含有画分のトル様受容体(TLR)に対する結合性を解析した。樹状細胞は自然免疫の中心的役割を果たし、抗原提示能に優れた単球由来樹状細胞や古典的樹状細胞、抗ウイルス作用に優れた形質様樹状細胞に分けられる。研究チームでは、過去の研究で、クロレラ熱水抽出物が単球由来樹状細胞に対して強い賦活作用を持つことを確認しており、古典的樹状細胞、形質様樹状細胞の分化や賦活化に及ぼす影響についても調べた。その結果、クロレラに含まれる多糖類は、単球由来樹状細胞や古典的樹状細胞が高発現するTLR2やTLR4を介して、分化あるいは賦活化することが示唆された。「本研究で得られた知見は、クロレラの免疫機能性の活用に貢献することが期待できる」としている。つづく

 

 

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