特集【サラシア属植物】 サラシノール含有量やSRサポート、除菌などで差別化

 伝承医学のアーユルベーダで、肥満や糖尿病治療に使われるなど、古くからその機能性が知られてきたサラシア属植物。日本では、サラシア属植物研究の第一人者である京都薬科大学名誉教授の吉川雅之氏による研究を皮切りに、メーカーや学術機関の研究が進められてきた。これまで、「α-グルコシダーゼ活性阻害」「抗肥満作用」「肝機能改善」「肝臓保護作用」「中性脂肪上昇遅延作用」といった生活習慣病に関する論文が報告されている。機能性表示食品では、サラシア由来サラシノールを関与成分とした商品が続々登場。「糖の吸収を抑え、食後血糖値の上昇をゆるやかにする」「腸内環境を整える(おなかの中のビフィズス菌を増やす)」旨の表示で受理されている。サラシア由来サラシノールを機能性関与成分とした機能性表示食品は9月20日現在、114品目となった。形状はサプリメンのほか、お茶やゼリー飲料、チョコ、茶漬け、牛丼など、一般食品での商品化も進んでいる。

 

 サラシア属植物に関する知識の普及、商品拡大、原材料・製品の品質向上など目的としたサラシア属植物普及協会は今年、設立12年目を迎えた。今後の中長期的なテーマのひとつに“若手研究者の育成”を掲げている。新たな取り組みとして、「女性の会」(仮称)を創設。女性の若手研究者や企業の若手を中心とするコミュニティを作り、次世代のリーダーを育成していく予定。同協会によると、「研究分野はこれまで、京都薬科大学の吉川名誉教授、近畿大学の村岡修名誉教授がリードしてきた。今後はバトンを受け継ぐ新たな若手研究者の発掘に取り組んでいきたい」とし、血糖値上昇抑制機能以外の新たな知見にも期待している。このほか、会員企業に対し定期的な勉強会も行っていく方針という。第一回目となる出前授業もこのほど実施。講師に近畿大学名誉教授の村岡修氏を迎え、サラシアの機能性などを解説した。同協会の会員数は、71社(9月25日現在)。今年は消費者庁が対応を求めている国際指針「PRISMA声明(2020年)」に準拠したSRも作成した。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1797号 (2024.10.2)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら