【話題追跡】 「トマトジュース」売上急伸、リコピンの注目度上昇

 野菜飲料市場が下降傾向にある中、トマトジュースは、2022年から売上を伸ばしている。ビッグデータプラットフォームを運営する㈱True Dataは2月、同社の統計データをもとにドラッグストア、食品スーパーマーケットにおける1月の売上伸長カテゴリーを発表。スーパーで最も売り上げを伸ばしたのはトマトジュースで、売上額は前年比同月の約1.5倍に増加した。インテージが6月に発表した「2024年上半期、売れたものランキング」では、1位パック、2位靴クリーム、3位強心剤に続き、トマトジュースは4位にランクインした。トマトジュース販売大手のカゴメが8月に行った2024年12月第2四半期決算説明会でも、売上前年比(1Q・2Q)46%増の91億円と発表している。

 

 健康志向を背景に、機能性表示食品のトマトジュースも市場に定着。カゴメがリコピンとGABAを含むコレステロール・血圧対応の『カゴメトマトジュース食塩無添加』、伊藤園がGABAを含むストレス・睡眠対応の『充実野菜 理想のトマト』などを販売している。同市場では、特に食塩無添加タイプが販売を伸ばしている。また、値上がりする生鮮トマトの代替として調理用途で使用する層も一定数いる。健康効果を求める40~50代のメインユーザーの購入に加え、2022年には美容家などインフルエンサーのSNS投稿を通じて、20代~30代の購入が増加。利用層を広げ、需要拡大に繋がった。インフルエンサーの投稿では、トマトジュースに含まれるリコピンの美肌・美白・免疫向上・むくみ解消などの発信が拡散され、健康に加え、美容目的に購入する若年層が増えた。朝食や間食などで手軽に接触でき、野菜ジュースよりも糖質が抑えられ、ダイエットに適していることも人気なようだ。

 

 トマトジュースの急伸はリコピン原料にも影響を見せている。リコピン原料販売を行う複数の企業から、「問い合わせやサンプルの依頼が増えている」「リコピン配合の美容ドリンクが伸長している」など、ポジティブな声が聞かれた。カゴメのトマトジュース以外にも、リコピンを機能性関与成分とする機能性表示食品は複数の企業で受理実績がある。最近では化粧品大手のコーセーが、リコピン・β-カロテン・ロダンテノンBを含む『コスメデコルテ サンシェルター インナー ホワイトプロテクション』で初受理となった。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1797号 (2024.10.2)で
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