特集【北海道~健康産業~】 エビデンス備わり、強固な道産ブランドに
地域経済の活性化、雇用創出などを目的に、健康産業の育成を支援する自治体は多い。北海道はその先駆者的な存在。2013年から全国初となる独自の食品機能性表示制度「ヘルシーDo」をスタート。「健康でいられる体づくりに関する科学的な研究」が行われた道産の機能性素材を含む食品を道庁が認定する制度で、累計認定商品は166品。リピート率の高い定番商品も増え、累計売上額は386億円になった。北海道経済部食関連産業局では、認定商品の販路拡大などを支援。北海道のアンテナショップ「北海道どさんこプラザ」で販促活動を定期に実施。バンコク、シンガポールの海外店舗でもイベントを行っており、さらなる認知拡大を図る。ここ数年は人材育成などを目的とした「ヘルシーDo創造塾」を開講。同局では、「新規参入を検討している食品事業者に加え、異業種からの参加者もいる。受講後に認定された商品もあり、一定の成果が出ている」と話す。
機能性表示食品の商品開発も活発化。ホクレン農業協同組合連合会では道産農産物を活用した生鮮食品、加工品などの機能性表示食品5品を展開。なかでも、『北海道こめ油』(機能性関与成分:γ-オリザノール)の販売が好調で、「増産体制で対応している。北海道産であることや、機能性表示食品の健康油という点が支持されている」という。同社では、今後も生鮮食品を中心に商品拡充を図る。この1年では、よつ葉乳業、日糧製パン、王子サーモン、北海道ファインケミカルなどの商品も受理されている。
食の宝庫とも言われる北海道。農産物、水産物、畜産物由来の特色ある機能性素材が食品、健康食品、化粧品に利用されている。他府県に比べ、供給量の心配が少なく、安定供給できる点も大きな強み。道内有力企業の活動をみると、コロナが収束する中、「今年に入り、インバウンド需要が回復している」「ヒト介入試験が終わり、機能性表示食品の届出を目指す」「アップサイクル商品として反応が良い」「海外輸出が好調」「環境対策を強化し、海外展開を加速させる」など、具体的な取り組みや成果を上げるコメントが多数聞かれた。海外展開では、アミノアップは、主力製品『AHCC®』をはじめとした機能性素材の海外輸出が好調で、海外売上比率は50%を超えた。道産サケ由来プロテオグリカンの原料供給を手掛けるリナイスも海外供給が伸び、前年比2ケタ増を達成した。つづく
詳しくは健康産業新聞1796号 (2024.9.18)で
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