特集【快眠サポート】 植物由来の新規原料、上市相次ぐ
寝具メーカーの西川と調査会社のクロスマーケティングが今年9月に発表した「睡眠白書2024」によると、調査対象者1万人の内、睡眠に対して「満足している」と答えた人は35.0%となり、昨年調査を5ポイント上回り、改善傾向がみられた。睡眠の質に満足している割合は34.5%で、同4ポイント増加。睡眠についてのリテラシーが上がっていることが伺える。また、「睡眠の質を高めるために新しく購入・取り入れたもの」としては、「枕」(15.3%)、「マットレス」(8.3%)などの回答が上位を占めたほか、サプリメント、機能性表示食品、飲料を合わせると7.4%となり、食品を活用して睡眠の質を高める行動を起こす人が、一定数いることがわかった。
各産業界が睡眠ビジネスに注目する中、2022年9月よりNTT東日本が新規事業として立ち上げた睡眠課題解決コミュニティ『ZAKONE』は、1年で150社以上が加盟した。『ZAKONE』は、睡眠に関わるあらゆる業種・業態による異業種間のマッチングを特長としている。例えば、サウナとリラクゼーションドリンクのコラボレーションイベントを行うなど、異業種コラボにより睡眠の問題を解決する取り組みが注目を集めている。健食業界からはCBDやテアニン、ユーグレナなどの原料メーカーも参画している。
健康食品業界でも快眠サポート商品の開発は、機能性表示食品を中心に年々活発化している。睡眠に関連する機能性表示食品の受理数は750品を超え、昨年同時期と比較して約200品が増加したことになる。機能性関与成分では、GABAが265品と最も多く、L-テアニンの151品に続いてラフマ由来ヒペロシド・イソクエルシトリンの130品が追随する。複数のヘルスクレームを謳える点を差別化に提案を進める三和酒類の『大麦乳酸発酵液ギャバ』や、大手との取引を強化するファーマフーズの『ファーマギャバ®』が盤石な基盤を築く。近年は天然ハーブ素材などの機能性関与成分が増加。なかでも、ラフマは植物由来原料として快眠サポートサプリに採用が広がっている。
沖縄県産クワンソウも一昨年に機能性表示食品が受理されて以降、サプリメントの採用が続いている。スギ薬局では医師監修の下、クワンソウを活用した機能性表示食品を多店舗で展開。「まだ、発売したばかりだが、今後の注目製品として期待している」と話す。乳酸菌では、「睡眠の質向上」を謳った『ヤクルト1000』が急激な需要増により、専用工場を竣工し、6月に増産体制を整えたと発表があった。新規の機能性関与成分では、今年8月、漢方薬を製造販売するクラシエが、レンギョウ葉抽出物「アルクチゲニン」を機能性関与成分とする機能性表示食品『レンギョウ葉タブレット』で受理された。また三菱ケミカルグループの新菱は、昨年3月に「水素分子」で初の機能性表示食品を受理。「ストレスを抱えている女性の方の睡眠の質」の表示をヘルスクレームに『高濃度水素ゼリー』を発売。特別な形状で差別化を図れることからOEM案件も増加傾向にあるという。納豆菌を機能性関与成分としたサプリメントも登場。このほか、ウマラセンタで睡眠の質改善に対して研究を進める事業者もある。つづく
詳しくは健康産業新聞1796号 (2024.9.18)で
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