22年「国民健康・栄養調査」 低栄養傾向の高齢者、男性12.9% 女性22%

 厚生労働省が8月28日に公表した2022年の「国民健康・栄養調査」で、65歳以上の高齢者の低栄養傾向の割合は男性12.9%、女性22.0%であることがわかった。85歳以上の割合が最も高く、4人に1人が低栄養傾向にある。栄養素摂取状況調査では、カルシウムは男女とも不足が目立った。20年、21年はコロナを受け調査を中止しており、3年ぶりの調査で、身体の状況や栄養摂取状況などが示された。調査は22年11〜12月に2,910世帯を対象に実施。肥満などの身体状況、栄養・食生活、運動・睡眠などについて調査した。所得と野菜摂取の関連や、コロナによる体重の変化など、社会環境と生活習慣に関する状況も聞いた。栄養摂取状況調査については、日曜祝祭日を除く任意の1日に行った。調査は2019年以来となる。

 

 コロナの影響によるこの1ヵ月間の変化を聞いたところ、体重が「増えた」割合は男性13.2%、女性16.7%。「減った」は男性7.4%、女性8.1%だった。身体状況調査では、肥満者の割合は男性31.7%、女性21.0%で、この10年で女性は有意な増減はみられなかったが、男性は有意に増加した。65歳以上の低栄養傾向者(BMI≦20kg/㎡)は、男性12.9%、女性22.0%。男女ともこの10年間で有意な増減はみられない。年齢別に見ると、85歳以上で低栄養傾向者の割合が多く、男性では27.1%、女性では25.6%に上った。

 

 栄養素等摂取量は、カルシウムの20歳以上の1人1日当たり平均値を見ると、男性の場合、20〜59歳の摂取量は500mg未満。なお食事摂取基準2020年版のカルシウムの「推奨量」は、男性の場合18〜29歳が800mg、30〜74歳が750mg、75歳以上が700mg。いずれもこの数値を下回っている。女性のカルシウム摂取量は20〜30代で400mg未満、40代が422mg、50代が478mg、60代が545mg、70代が572mg、80歳以上が519mgだった。食事摂取基準20年版の女性のカルシウムの「推奨量」は、18〜74歳が650mg、75歳以上が600mgでこの水準を下回る結果となっている。つづく

 

 

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