特集【雑穀】 雑穀+αの用途提案加速

 もち麦は健康訴求のみならず、保水性によるパサつき抑制(美味しさ)が評価され、コンビニや飲食店での取り扱いが広がっている。保水性をアドバンテージとした需要拡大は、第一次ブーム時になかったもの。㈱はくばくの業務用出荷額は、2021年から2023年にかけて135.4%で伸長した。保水性については、冷蔵保管したもち麦と精白米を比較する保水性試験で明らかになっている。もち麦は精白米と比べて離水しにくく、時間が経っても美味しさをキープすることがわかった。官能評価試験では、もち麦は精白米と比べて硬くなりにくく、ぼそぼそ感も感じにくいとする調査結果も示された。水分保持をキープできる理由は、もち麦特有のデンプン“アミロペクチン”にある。網目状の構造が水分の蒸発量を抑えることに繋がっている。一方、精白米は直線的な構造を持つアミロースが含まれるため、もち麦と比較して水分蒸発量が多くなることがわかっている。

 

 最終製品は、加工食品での商品化が活発になってきた。昨今ではレトルトパウチのごはんバーも。「満腹バーシリーズ」(UHA味覚糖)は、小腹満たしニーズを獲得し、売上はシリーズ累計600万食を突破した。同社によると、「小腹満たし商品はチョコレートバーやシリアルバーなどがあるものの、甘いものが苦手な人や健康を気にする人、ダイエットする人のニーズを満たす商品は多くなかった。この商品は、罪悪感なく小腹を満たせると評価されている」という。加熱不要、保存性(賞味期限12ヵ月)、携帯性に優れるため、忙しい仕事中などに手軽に食べられる間食需要を獲得した。機能性表示食品では冷凍弁当での商品化が。『もち麦ワンディッシュ(ニチレイ)は、食物繊維を手軽に摂取できることを訴求している。適正糖質をコンセプトとするSUNAOブランドからは、『SUNAOもっちりパスタ』(グリコ)が登場。糖質60%オフを謳っている。ハンバーグはプラントベース食品の『大麦ともち麦からつくったハンバーグ』(トップバリュ)が上市され、食物繊維と低カロリーを訴求している。もち麦入りの栄養調整食品では『クリーム玄米ブラン もち麦入り』(アサヒグループ食品)も販売されている。つづく

 

 

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