特集【スピルリナ】 フィコシアニンの肌バリア機能で再脚光

 フィコシアンの美肌効果がYouTubeなどで注目度を増している。スピルリナ抽出成分であるフィコシアニンは、肌の保湿性向上、シワ改善、ハリ・ツヤ改善、弾力性向上のエビデンスがあり、昨今では美容家の笹倉えりか氏や美容インフルエンサーらによる臨床試験データの発信も目立つようになった。肌バリアに関する機能性については、最終製品を用いたヒト臨床試験データによって実証されている。試験は20歳から65歳の成人女性を対象にフィコシアニンを含む被験食群とプラセボ群(フィコシアニンを含まない食品を摂取する群)に分けて実施。摂取前、摂取後4 週間、8週間に、肌のバリア機能(保湿力)の指標である肌の水分蒸散量を測定した。その結果、フィコシアニンを含む被験食群は、8週間後、肌の水分蒸発量が有意に減少したことを確認している。

 

 植物性タンパク質や糖質、脂肪酸、ビタミンをはじめ、日常生活で不足しがちなカルシウム、リン、マグネシウム、鉄など豊富な栄養素を含有するスピルリナ。美容・健康意識の高い人から根強い支持を集め、アメリカ・カナダなどでは、“スピルリナ=スーパーフード”としての認知が進んでいる。国内では日本スーパーフード協会が「プライマリースーパーフード10」としてスピルリナを優先的に推奨。“スーパーフードの王様”とも称され、サプリメントをはじめ、青汁、スムージー、プロテイン、麺類、製菓・製パン、調味料などに利用の裾野が広がっている。

 

 この1年の引き合い状況について、取材先からは、「欧米での引き合いのほか、アジア圏での需要が伸びている」「天然のビタミン・ミネラル・カロテンを含有する“スーパーフード”として安定的に推移した」「スムージーなどのドリンク向けが好調」「ビフィズス菌や乳酸菌との組み合わせに相性が良いことなどから、特に腸内環境改善系の案件で引き合いが増えている」などの声が聞かれた。スピルリナの主要サプライヤーは、サンライフ、DIC、東洋酵素化学、タベルモなど。「フィコシアニン含有量」「ビタミン・ミネラルのバランス」「健康食品安全性自主点検認証」「コレステロール値・中性脂肪値低下」「小ロット対応「OEM製品のアフターフォロー」「冷凍生スピルリナ」など、各社の差別化提案が進んでいる。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1795号 (2024.9.4)で
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