ZOOM UP【ヒト幹細胞培養液/エクソソーム】 幹細胞培養液、不動の化粧品人気原料に

 化粧品分野で応用が進んでいるのは、主にヒト由来の幹細胞と植物性由来の幹細胞だ。特にヒト幹細胞に人気が集まり、脂肪由来、臍帯由来、臍帯血由来、毛根由来――などがある。ただ、化粧品に使われる「ヒト幹細胞」原料は、幹細胞を培養した後、幹細胞自体を取り除いた培養液(培養上清液)のことをいう。実際の幹細胞は入っていないことから、正式には「幹細胞培養液」と呼ばれる。幹細胞を培養した液体には、様々な成長因子が含まれており、美白やシワ改善、育毛などに有効であるとの研究データが確認されたことで、ヒト幹細胞培養液を配合したコスメの上市が続いている。主にエステサロン専用商品や、美容クリニックの物販用、MLMなどクローズドマーケットでの販売が主流だが、最近はモデルや芸能人が広告塔となってSNSを介してのEC販売など、オープンマーケットでも売れ行きが伸びている。新規参入企業も増加しており、市場は活発に動いている。

 

 さらに最近では、「エクソソーム」の人気が幹細胞に肩を並べるほどに利用が進む。エクソソームは、幹細胞から分泌される微細(so-150nm)な細胞外小胞。CD63と呼ばれるたんぱく質を保持しており、細胞間の情報伝達の役割を担うことから再生医療分野で利用が期待されている。化粧品では効果効能は謳えないが、エクソソームを配合したエイジングケア向け化粧品の開発は広がっている。エステサロンや化粧品メーカー関係者からは、「エクソソームは、きちんとしたエビデンスがある成分」「まだ研究が始まった成分で様々な可能性が広がっている」などの声が聞かれた。エステ商材の展示会では、ヒト幹細胞培養液以上に、エクソソームをアピールする出展社も見掛けるようになった。実際、本紙が今年6月に化粧品受託メーカーを対象に行った調査(有効回答126社)では、今年下期の人気受注素材のトップは幹細胞。またエクソソームも6位にランクアップし、幹細胞とエクソソーム合わせるとダントツのトップ素材となっている。つづく

 

 

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