「第41回日本微量栄養素学会学術集会」、”精密栄養学”で個々に適した食事指導・サプリ提供が可能に

 日本微量栄養素学会(京都市北区)主催の「第41回日本微量栄養素学会学術集会」が6月22日、京都リサーチパーク(京都市下京区)で開催され、関係者約50人が参加した。当日は口頭発表が7演題、ポスターセッションが12演題行われた。特別講演では、(国研)医薬基盤・健康・栄養研究所副所長で、ヘルス・メディカル微生物研究センターセンター長の國澤純氏が、「精密栄養学における腸内細菌と微量栄養素の関わり」と題し講演。現在、内閣府のBRiDGEの支援の下で進めてい「Precision Nutrition(精密栄養学)の実践プラットフォームの構築と社会実装」の一端を紹介した。

 

 國澤氏は、ヒトが食に求めるものは、「栄養」「美味しさ」「機能性」があるとし、ヒトの遺伝子や腸内環境は千差万別で、健康に良いといわれる食事を摂取しても健康効果に個人差が出ることを、ビタミンB1や食物繊維、亜麻仁油などを例に挙げて説明。「食の効果には個人差がある。この人には効いて、この人には効かないのかというメカニズムが分かれば、食材・食べ方など、個人に適した食を提案できる。その基盤となるのが精密栄養学という新しい栄養学だ」と述べた。

 

 また現在、全国約1万2,000人の食事や運動、睡眠等の生活習慣、健康診断データ、病歴、服薬歴等の健康情報と併せて、血液や糞便、唾液を提供頂き、腸内細菌や口腔最近、血中の代謝物、免疫のパラメーター等をデータベース化すると同時に、様々な解析を実施していることに触れた。國澤氏は、これらデータベースを基にAI解析を通じて、個人個人の健康効果のあるなしを予測できるシステムが作れるとし、大麦や亜麻仁油のポリフェノールでは、そのモデルができ始めていることを紹介。特に効果がない人には、食べ方やサプリメントなどの代替法の開発も進めているとした。つづく

 

詳しくは健康産業新聞1791号(2024.7.3)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら