別冊【沖縄県】 編集部注目! 沖縄発、ネクストブレイク素材を大予測

 亜熱帯地域に属する沖縄県は、機能性素材の宝庫だ。地元では、これら素材を古くから“ぬちぐすい(命の薬)”と呼び、生活に摂り入れてきた。近年はエビデンス研究も進展し、伝承的な効能に科学的な根拠が備わり、機能性表示食品に受理される素材も徐々に増えている。ここでは、リバイバル、ネクストブレイクが期待される沖縄県産の注目素材7種を本紙記者が大胆予想する。

 

【シークヮーサー】 ブレイク指数★★★★★

 沖縄を代表する柑橘類。有用成分「ノビレチン」には、血糖値の上昇抑制、メタボリックシンドローム予防をはじめ、認知機能改善、排尿トラブル対策、抗アレルギー作用――などの機能性が確認されている。2020年9月に「中性脂肪を低下させる」旨の表示で、ノビレチン初の機能性表示食品が受理された。その後も「目や鼻の不快感を軽減する」「健常な年配者の視覚的な記憶力をサポートする」旨の機能性表示食品が受理されているほか、沖縄ハム総合食品では、クエン酸を関与成分として「一時的な疲労感を軽減する」旨で機能性表示食品に受理された酢飲料を展開している。沖縄アロエでは、男女の排尿トラブル対策で届出に向けて準備をしている。ノビレチンやタンゲレチンは、シークヮーサーの果汁を搾汁後の果皮から抽出されるため、アップサイクル素材でもある。新たに、沖縄アロエが愛媛大学と共同で実施したヒト試験で、果皮から採取された精油に抗ストレス効果を確認。今後の産業化を検討しており、シークヮーサーのアップサイクル率の向上にも期待される。

 

【クワンソウ】 ブレイク指数★★★★★

 沖縄伝統農産物28種の内の1種クワンソウ(アキノワスレグサ)。沖縄方言では「眠り草」と呼ばれ、古くから食すれば良く眠れると言われてきた。近年の機能性研究を経て、クレイ沖縄が「クワンソウ由来オキシピナタニン」、ソムノクエストが「クワンソウ由来ウンシノシドA」を関与成分としたサプリメントで、機能性表示食品に受理されている。また両社のサプリメントは、県が推奨する健康食品のブランド化に向けた独自の認証制度「WELLNESS OKINAWA JAPAN(WOJ)」の認証も取得している。クワンソウは秋に鮮やかなオレンジ色の花が咲くことから、眠り草本舗では、花摘みや花を利用した伝統料理を味わえるツアーを実施、今帰仁村の地域振興にも貢献している。

 

【藻類・微細藻類】 ブレイク指数★★★★

 オキナワモズ由来のクフコイダンは、国内外で知られる機能性素材。金秀バイオ、ホクガン、サウスプロダクトなど県内には有力サプライヤーが所在する。2022年12月には、島酒家とマルミネ産業が奥武島産のモズクで、有機海藻の日本農林規格(JAS)の認証を取得した。モズク品目で国内初の認証取得として話題を集めた。一方、温暖な気候を利用して、離島を含めた沖縄全域で、微細藻類の培養も行われている。ユーグレナが石垣島でユーグレナ、クロレラ、オーランチオキトリウムの培養を行うほか、金秀バイオがラビリンチュラの培養を行っている。久米島ではスピルリナなどの培養施設がある。またオーピーバイオファクトリーは、沖縄の海から発見したフコキサンチン高含有の「パブロバ」の培養に成功、ロート製薬と協業も展開。沖縄は藻類・微細藻類の一大生産地となっている。つづく

 

 

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