別冊【沖縄県】 シークヮーサー、多彩な機能で拡大 フコイダン、ウコンも好調
アイテム別でみると、シークヮーサーが飲料を中心に人気だ。県内外で県産品を取り扱う「わしたショップ」や「沖縄宝島」でも、健康食品カテゴリーの売れ筋商品はシークヮーサー飲料が上位を占める。「わしたショップ」を運営する沖縄県物産公社では、「シークヮーサーは認知が高く、夏場以外も売れ行きが安定しており、定番品になっている」と話す。また、中性脂肪低下作用をはじめ、排尿障害改善、認知機能の改善など、様々な健康機能が解明され、ユーザーの裾野も拡大。シークヮーサーの生産量は県内農産物の中では安定しており、供給面に不安要素が少ないことも強みとなっている。
沖縄モズク由来フコイダンは、免疫に対する関心の高まりを背景に、海外市場での需要増が続く。原料サプライヤーの金秀バイオ、ホクガンは、安定供給体制の下、販売地域の拡大を推し進める。また、微細藻類の研究・素材開発が活発に。クロレラ、ユーグレナなど以外にもラビリンチュラ、パブロバといったニューフェイスが登場。環境負荷が少ない状況で培養できる点からSDGsの観点からも注目度が上昇している。定番素材のウコンは、コロナ収束に伴い、外食機会が増え、取扱い事業者からは、「アルコール対策向けに販売量が伸びている」といったコメントが多かった。別名“眠り草”とも呼ばれるクワンソウは、睡眠分野で機能性表示食品の受理品が複数品登場。市場活性に弾みがつきそうだ。
このほか、スーパーフード素材のモリンガ、抜群の認知を誇る紅イモ、活力系素材のクーガ芋やスッポン、フェムケア分野で利用が期待されるフーチバー(ニシヨモギ)やクミスクチンなど、注目素材が目白押し。また、栽培地域は少ないものの、有機原料を差別化に生産、加工などを強化する動きや、農産物・海産物の残渣活用など、アップサイクルに取り組む事業者も目立つ。コロナが収束し、沖縄健食産業が“沖縄ブランド+α”を武器に県外、海外に向けて大きく動き出している。つづく
詳しくは健康産業新聞1790号別冊『沖縄県~健康産業~』(2024.6.19)で
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