特集【カロテノイド】 アイケア・美容・抗疲労など、エビデンスベースの提案進む

 カロテノイドは、美容・美肌、アイケア、抗疲労、認知機能、抗メタボ、抗ロコモなどに関する豊富なエビデンスを背景に、機能性表示食品含め、健食・サプリメントが多数上市されている。国内では、コロナ禍のスマホ、PCなどのスクリーンタイム増加を背景に、アイケア製品が定着。また、アフターコロナでの外出機会増に伴う紫外線対策やストレス軽減に関するポストコロナ製品も同市場を牽引する形で上市されている。このようなニーズを受け、機能性表示食品の開発も活発化している。カロテノイド素材を機能性関与成分とする機能性表示食品の届出受理数は、累計550品(撤回除く)を超える。2021年以降は毎年100品以上が届出され、受理数を伸ばしている。

 

 届出受理数で最も多いのは、ルテインで350品を超える。ゼアキサンチンとの組み合わせで、「目の黄斑色素濃度の維持」「コントラスト感度の改善」「紫外線・ブルーライトからの保護」などの表示で受理されている。睡眠改善やストレス緩和、記憶維持とのダブル・トリプルクレーム製品も目立つ。黄斑色素濃度が低下する高齢者に加え、デジタル化の普及に伴い、眼精疲労やドライアイなど目の悩みを抱える消費者が増加。中高年が主要ターゲットであったルテイン製品は昨今、若年層へ裾野を広げ、薬局・薬店ではオフィスワーカーにサプリメントの販売が堅調という。ロート製薬では、ルテインを配合したサプリメントや機能性表示食品「ロートV5」シリーズを展開。通販チャンネルでの定期購入が好調。前年比48%増と大幅伸長している。

 

 ヘマトコッカス藻由来の強い抗酸化力を持つアスタキサンチンを機能性関与成分とする機能性表示食品受理数は累計140品を超えている。ヘルスクレームは、紫外線対策、肌バリア機能・うるおい、アイケア、ストレス軽減、抗疲労などが認められており、複数表示での届出受理が標準になりつつある。BGG Japanは、自社で実施した臨床試験をもとに届出を行ったアスタキサンチン原料『AstaZine®』で、業界初となる「視力の維持」の表示が受理された。視力をダイレクトに表示できるだけに、今後の動向に注目される。アスタキサンチンを使用し、血中脂質の酸化抑制と肌の潤いを訴求した機能性表示食品『アスタリフト サプリメント ホワイトシールド』を販売する富士フィルムでも、通販チャネルを中心に展開し、売上を伸ばしている。新たな研究成果では、富士化学工業がアスタキサンチン原料『アスタリール®』で、「スポーツ貧血(溶血性貧血)」に関する独自のエビデンスを取得し、スポーツサプリ市場に向けた提案を強化している。つづく

 

 

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