24年上期 健食受託調査 54%が増収も、「経営良好」は31%に

 本紙が定期的に実施している健康食品の受託製造企業調査で、2024年上期の増収企業は54%で過半数となったものの、経営良好との回答は前年同期調査の36%から31%に減少した。紅麹問題については、57%の企業が「影響あり」と回答。コロナ禍による影響から回復基調にあった市場は紅麹問題で風評被害を受けたが、海外案件の増加やNMN人気など、プラス材料も見られる。

 

 調査は5月中旬から6月初旬にかけて実施、健食受託企業139社から回答を得た。回答企業の約47%は、売上高が10億円未満の企業となっている。売上高について回答があった企業で、増収となったのは54.0%。減収企業は29.4%で、前年並みが16.7%だった。上期の経営状況を聞いたところ、「良かった」は30.5%で、前年同期調査から5.6ポイントダウン。「悪かった」は21.4%で6.6ポイント増加し、3年ぶりに2割を超えた。「どちらともいえない」は48.1%。「良かった」とする企業からは、特に海外案件が増加したとの声が目立った。一方で「悪かった」「どちらともいえない」とした企業からは、原材料の高騰など各種のコスト増を理由に挙げる企業が多かった。

 

 小林製薬の紅麹問題による影響は、56.7%が「あり」と回答。「問い合わせ対応に追われた」といった声が相当数に上り、全く関係のない原料への問い合わせも寄せられた。このほか、「開発案件の延期」「発注案件が止まった」「他商品への信用不安にも繋がった」「風評被害」との声が聞かれた。

 

 景気の指標となる設備投資を行った企業は50.4%。8社が新工場を建設した。海外向け受託を行っている企業は63.6%。海外受託の割合が増加しているとの回答は45.0%だった。増えているジャンルは「美容系」「NMN」が目立った。「NMN」は国内人気も継続。上期の人気受注素材は、前回調査で2位だった「NMN」がトップとなった。前回トップの「乳酸菌」は僅差で2位。「プロテイン」と「コラーゲン」が3位で並んだ。一方、受託企業にとっての大きな課題である人手不足は依然解消されていない。「人手不足」(37.4%)と「やや人手不足」(41.5%)の合計は78.9%だった。つづく

 

 

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