特集【コラーゲンペプチド】 コラーゲンペプチド販売量6,272tに
日本ゼラチン・コラーゲン工業組合が5月発表したコラーゲンペプチドの販売量の最新版(令和5年度)では、前年度比6%減となる6,272tで着地。2年連続で増加を記録していたが、一旦足止めとなった。この内、「食用」用途の販売量は5,219tで同3%減となった。調査は、同工業組合に加盟している14社を対象に実施したもの。令和3年から2年連続で増加していたが、減少に転じた格好だ。ただ、アフターコロナで美容向け商品の開発が再開したことや、長らくのマスク生活によって引き起こされた肌トラブル対策などの新たな需要が登場するなど、依然として引き合いは強い。また、近年のプロテイン人気の延長からか、タンパク強化を目的としたニーズも新たに出てきており、今年度の販売量復調が期待される。
「輸出」用途も苦戦した。3年連続で減少。ここ数年海外では、サプリメントへの採用をはじめ、コラーゲンの利用が拡大するなど好調で、同組合の発表によると2020年(令和2年度)には輸出量が大幅に伸びていた。ただ、以降は減少が続いており、コラーゲン人気に伴う海外メーカーの台頭など、競争が激化したことも要因か。海外への展開について国内コラーゲンメーカーへの聞き取りによると、「中国越境ECやベトナムなど東南アジア向けの輸出は増えている」との声が挙がるなど、現地でのニーズは着実に高まっているようだ。海外では日本製コラーゲンペプチドの品質が高く評価されており、今後の巻き返しにも注目が集まる。
今年3月に米国アナハイムで開催された米国最大規模の自然・健康食品展「ナチュラル・プロダクツ・エキスポ ウエスト」では、コラーゲン製品を扱うメーカーが数多く出展した。ここ数年米国ではコラーゲンの一大ブームが起きているという。関連商品の開発も活発なようだ。利用目的は、関節や腱の健康をサポートする「Joint health」や、爪・髪・肌をサポートする「Beauty」カテゴリーがメインだが、最近ではプロテインと組み合わせたものや、プロテインの代替として利用されるなど、タンパク強化を目的とした利用が進んでいる。
グローバルニュートリショングループの武田猛氏は、「米国では“健康な髪と爪”や“小ジワの改善、肌弾力性の改善”などの構造機能強調表示が行えるが、現在では“トータルコラーゲン”、“マルチコラーゲン”といった表示が目立つ。Ⅰ型からⅤ型までの種類の異なる5種類のコラーゲンを一つのフォーミュラに配合し、全身の健康に寄与するといった訴求を行っている。コラーゲンは“デイリーウェルネス”に欠かせない存在になりつつある」と解説する。英国調査会社のニューニュートリションビジネスによると、コラーゲンのGoogle検索数はプロバイオを抜いているといい、世界的に関心が寄せられていることがわかる。米国の小売店でも、プロテインコーナーの隣にコラーゲン商品が陳列されているケースも多く、デイリーウェルネスとして利用が定着しているようだ。今後日本でも同様の動きが広がるとの見方もあり、コラーゲンの新たな利用に期待が寄せられている。つづく
詳しくは健康産業新聞1789号(2024.6.5)で
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