特集【美肌】 フェムケアとの融合に商機
新型コロナウイルスの拡大によるテレワークの増加、外出自粛を背景に、2020年は美容・美肌サプリメントの需要が低迷し、新商品開発・上市がストップしたケースが目立った。ただ、2021年に入り、市場環境は一変した。マスク着用の常態化、アルコール消毒の多用による肌トラブルのケア対策商材を求める消費行動が加速し、機能性表示食品を含め、商品開発が活発化、美肌サプリ市場は回復路線に転じた。その後、外出機会増に伴い、美容市場は拡大基調に。男女問わず、「自宅でできる肌トラブル対策」としてサプリメントの需要が高まった。大手サプリメーカーからは、「インバウンド需要の復活は美肌サプリ市場をさらに押し上げていくだろう」「東南アジアを中心に、メイドインジャパンの美肌サプリの輸出が急伸。美白をコンセプトにしたサプリに商機がある」などのコメントがあった。
市場には、保湿、抗酸化、抗糖化、抗炎症、抗紫外線、アクネ菌対策、シミ予防、美白、コラーゲン産生促進など、多種多様なコンセプトの“エビデンスベースの美肌素材”が流通している。美肌原料サプライヤーへの聞き取り調査では、好調な要因として、「大手化粧品ブランド・異業種企業での商品化」「大型素材との相乗効果」「機能性表示食品での採用増」などのコメントが複数あった。「近々、大手飲料メーカーが上市する美容飲料に新規採用された」との情報も。総じて、ダイエット、アイケア、スポーツサプリメントの+α素材としての新規採用が目立つ。スポーツニュートリション分野では、プロテイン製品への配合を中心に、ジョギング+紫外線対策、筋トレ+肌荒れ対策をテーマに、アップトレンド市場へのアプローチが進んでいる。
「大手化粧品ブランド・異業種企業」については、フェムケア市場の盛り上がりが追い風となった。女性に特化した商品開発を進める中で、美肌・美容素材は欠かせない存在に。有名化粧品メーカーでは、「今後も化粧品を軸に事業展開していくが、主力商品と親和性のある美容サプリの開発は大きなテーマ」とする。クリニック、エステサロン、フィットネス、理美容室、ネイルサロンなどが、美容・美肌訴求のPB商品を開発するケースも。一方、「今後は、シミ・シワ・くすみ対策をコンセプトに、男性をターゲットにした美容サプリ・飲料にビジネスチャンスがある」とし、メンテックを切り口とした商品開発を進めている某雑貨ブランドもあった。「大型素材との相乗効果」については、コラーゲン、セラミド、プラセンタ、ヒアルロン酸など、市場を代表する美容素材との相乗効果研究が奏功した。体感性や独自性を高めた商品が求められる中で、大型素材とのシナジーエビデンスが評価されている。つづく
詳しくは健康産業新聞1789号(2024.6.5)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら