特集【プロテオグリカン】 機能性表示食品140品超
プロテオグリカンは、プロテイン(タンパク質)とグリカン(多糖)の複合体で、コラーゲンやヒアルロン酸と共に、人間を含む全動物の軟骨や皮膚などに豊富に存在し、細胞と細胞の間を埋めて固定化する役割を担い、足りなくなると肌のシワや関節痛などが誘発される。2000年に青森県の産学官で世界初の量産化技術が確立され、2010年に原料供給が本格化。その後、関節・美容系のエビデンスが豊富な点や、高い体感性を有することが評価され、健食、化粧品共に市場拡大が継続している。市場には、北海道産サケ鼻軟骨由来を中心に、サメ軟骨やイカ軟骨由来、鯨由来の原料が流通。近年は国産サケ鼻軟骨の再資源化に成功したSDGs対応素材としての認知度も向上している。
プロテオグリカンの機能性表示食品の受理数は累計143品目(5月末時点)と前年比21%増に。ファンケル、ディーエイチシー、富士化学工業、えがお、皇漢薬品研究所のほか、化粧品を主力とする資生堂、ノエビア、新日本製薬、アテニア、エンチーム、ドリンクメーカーのダイドードリンコ、製菓メーカーの森永製菓、加工食品の王子サーモン、住宅総合メーカーのアルクなどが展開している。一丸ファルコスでは、関節と美肌のWヘルスクレームも可能な機能性表示食品をはじめ、美容ドリンクやタブレットなどにも幅広く採用が進んでいる。直近では、美容家によるSNS発信などで、問い合わせが殺到する事態も。「消費者が原料の含有量やサプライヤーにまで着目する傾向が強まっている」という。北海道産サケ鼻軟骨由来プロテオグリカンを供給するリナイスでは、関節対策、美容分野で対応する機能性表示食品の採用が伸長するほか、海外向けの供給量も伸びている。「関節対応市場の大きい米国でのさらなる売上拡大に向け、現在Self GRAS認証の取得に向けた取り組みを進めている」という。北海道「ヘルシーDO」認証製品の売れ行きも順調だ。
青森県では産学官連携で“あおもりPG”の認知拡大を進めている。2023年9月末までの成果として、県内47社、県外40社が商品を開発、(一社)あおもりPG推進協議会加入企業(全108社)を対象とする累計製造品出荷額は約508億2,000万円(前年約442億円)に。なお、あおもりPG協議会の認証商品は化粧品168品、サプリメント(機能性表示食品含む)、食品・ドリンク129品で計297品(2023年度上期時点)。地元企業では、従来品の『ねぶた絵パック+PG』をリニューアルし、品質そのままに価格をリーズナブルにした角弘や、『黒りんご酢+PG』に加え、機能性表示食品も展開するカネショウ、『青森県産カシス+PG』で飲むゼリーを展開するはとや製菓など商品開発が活発だ。また、甚八りんご農園『犬用りんごゼリー』『――ドリンク』など新たにペットフードも登場するなど、様々な製品化が進んでいる。つづく
詳しくは健康産業新聞1789号(2024.6.5)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら